計画名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画
この計画はどんな計画か
歴史的な庭園である旧沼津御用邸を整備・保全するための実行計画
市の目標旧沼津御用邸の施設や景観を整備し、貴重な文化財として保存し活用していく。
数値目標・成果指標 24件
- 展望台設置箇所数 西附属邸エリア1箇所、旧本邸エリア1箇所
- 進入防止柵高さ 1.8m
- クロマツ補植本数:1,078本
- クロマツ除間伐本数:236本
- 西附属邸エリア補植本数(令和2~3年度):243本
- 西附属邸エリア間引本数(令和2~3年度):73本
- 旧本邸エリア補植本数(令和4~5年度):587本
- 旧本邸エリア間引本数(令和4~5年度):105本
- 東附属邸エリア補植本数(令和6~7年度):248本
- 東附属邸エリア間引本数(令和6~7年度):57本
- 樹幹注入実施頻度:年1回(2月頃)
- 薬剤散布実施頻度:年2回(5月~6月頃)
- 危険度診断実施頻度:年1回
- 樹木剪定実施頻度:年2回
- 下刈実施頻度:年5回
- つる除去実施頻度:年1回
- 不要木除伐実施頻度:年2回
- 梅園薬剤散布実施頻度:年1回
- 東附属邸庭園施肥実施頻度:年1回
- 芝刈実施頻度:年5回
- 清掃(植栽手入れ)実施頻度:月1回
- 落葉かき実施頻度:年2回程度
- こも巻き・こも焼き実施頻度:年1回
- 定期的なモニタリング調査実施頻度:5年~10年ごと程度
施策・取り組み
個別の事業をすべて見る(60件)
- クロマツ林管理計画の策定・実施
- 毎木調査
- 展望台整備(西附属邸1、旧本邸1)
- 海岸部進入防止柵整備
- 西附属邸耐震診断・耐震化工事
- 東附属邸耐震診断・耐震化工事
- 防空壕・本邸御湯殿跡修復
- スプリンクラー設置
- バリアフリー工事
- 快適性向上工事
- 回遊ルート設定
- 案内表示整備
- 東屋整備
- ベンチ配置・更新
- トイレ改修
- 苑路整備
- 西附属邸展示リニューアル
- 東附属邸学習の場としての活用
- 旧本邸平面表示整備
- 地域住民ボランティア組織化
- 連携イベント開催
- 情報発信強化
- 既存観光施設との連携
- 防空壕の公開準備
- 松林・芝生地の保全・活用
- 苑路の整備
- 商業施設の利活用
- 歴史民俗資料館の利活用
- 庭園の維持管理と活用
- 茶室の修復
- 見学ルートの明確化
- 休憩施設の整備
- 耐震診断・耐震化工事
- 防火対策工事
- 眺望景観の確保・保全
- 展望台の整備
- 海岸部進入防止柵の整備
- 西附属邸の展示方法のリニューアル
- 管理部門との利用区分の明確化
- 御用邸時代の建造物の修復
- 駐車場動線の案内表示の明確化
- 園地の有効活用
- クロマツの除伐採・補植・実生木の育成
- クロマツ以外の樹木の管理方法
- クロマツ林管理重点ゾーンの設定
- 立木密度管理
- 林床管理
- 病虫害対策
- 危険度診断
- 枯損木・危険木の除去
- 定期的な危険度診断
- 下刈・つる除去
- 落葉かき
- 樹幹注入
- 薬剤散布
- 不要木の除伐
- 樹木剪定
- 梅園薬剤散布
- 東附属邸庭園施肥
- 除間伐
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第1章 計画策定にあたってPDF 1.3MB
昭和天皇が利用された旧沼津御用邸の敷地を、文化財として後世に残していくための具体的な整備計画の概要です。松林の手入れ、建物の安全対策、観光活用など、どのように保存・活用していくかの方針と取り組みを定めています。
背景平成31年3月に策定された「保存活用計画」で示された課題を具体的に進めるための実行計画が必要だったため。
- 毎木調査で樹木位置・本数・樹高を把握し維持管理の基礎データを整備
- 松林管理計画で除間伐・補植など適切な維持管理体制を構築
- 防潮堤嵩上げ(最大1.9m)の影響に対応し展望地を整備
- 老朽化した案内サインを更新し、御用邸の歴史・文化の情報発信を強化
- 地域住民や子どもがボランティアとして参加するイベント形式の補植を実施
- 沼津港との観光ルート連携や「皇室ゆかりの庭園」ツーリズムに登録
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1 第1編 整備基本計画 -- 1 of 10 -- 2 -- 2 of 10 -- 3 第1章 計画策定にあたって 第1節 計画策定の経緯と目的 平成31年3月に策定された「名勝旧沼津御用邸苑地保存活用計画」(以下、「保存活用 計画」という)第9章に示される事項を具体化するためのアクションプランとして「名勝 旧沼津御用邸苑地整備基本計画策定委員会」を設置し、名勝旧沼津御用邸苑地整備基本 計画を策定することを目的とする。
[指定範囲・所有区分図] [各種調査] ①『静岡県の名勝に関する特定の調査研究事業報告書』(静岡県教育委員会 平成 27 年 (2015)) ②『旧沼津御用邸調査報告書』(沼津市教育委員会 平成 28 年(2016)) 「名勝旧沼津御用邸苑地保存活用計画」 策定 平成 31 年 3 月 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 -- 3 of 10 -- 4 第2節 計画の対象地 本計画の対象範囲は、名勝指定範囲とする。
なお、本計画の推進にあたっては、指定 地に隣接する都市公園区域(沼津御用邸記念公園)も旧沼津御用邸苑地と一体的に保存 と活用を図っていくものとする。 計画対象範囲:沼津市下香貫島郷、善太夫桃郷林地内 [計画対象地位置図] 0 100m 500m N 名勝指定範囲(計画対象範囲) -- 4 of 10 -- 5 第3節 計画検討体制 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画の策定にあたっては、「名勝旧沼津御用邸苑地整備 基本計画策定委員会」(以下、「策定委員会」という)を設置し、委員の助言を基に計画 編集や調査等を実施する。
[策定委員会 委員・オブザーバー] 氏 名 所 属 専門分野 委員 丸山 宏 名城大学 農学部 教授 庭園 浅羽 英男 元宮内庁 管理部 総括補佐 宮廷建築 堀 大才 特定非営利活動法人 樹木生態研究会 最高顧問 樹木医学 小田部 雄次 静岡福祉大学 名誉教授 日本皇室史 岡田 智秀 日本大学 理工学部 教授 景観まちづくり オブザーバー 平澤 毅 文化庁 文化財第二課 主任文化財調査官 — 菊池 吉修 静岡県 文化・観光部 文化局 文化財課 文化資源活用班 班長 — 鈴木 裕篤 沼津市歴史民俗資料館職員 — 木所 克之 沼津御用邸記念公園 所長(指定管理者) — ※氏名は順不同 -- 5 of 10 -- 6 第4節 計画フロー 本計画は、以下に示すフローに沿って策定する。
[計画フロー図] 計画準備 第1回 策定 委員会 第1章 計画策定にあたって 第 1 節 計画策定の経緯と目的 第 2 節 計画の対象地 第 3 節 計画検討体制 第 4 節 計画フロー 第 5 節 関連計画等の位置づけ 第 6 節 課題 計画書取りまとめ 第3回 策定 委員会 第2回 策定 委員会 第4章 事業計画 第 1 節 事業スケジュール 第 2 節 事業期間中の管理手法 第 3 節 今後の調査計画 第3章 整備基本計画 第 1 節 分野別整備計画 第 2 節 エリア別整備計画 第2章 整備の方針 第 1 節 旧沼津御用邸苑地の将来像 第 2 節 整備の方針 現地調査 樹木分布調査 現地調査 事例調査 -- 6 of 10 -- 7 第5節 関連計画等の位置づけ 本計画の上位計画である「第4次沼津市総合計画」及び「名勝旧沼津御用邸苑地保存 活用計画」をはじめとした「第2次沼津市都市計画マスタープラン」等の関連計画につ いて、その位置づけを以下に概念図として整理する。
[関連計画等概念図] ◆関連計画: 〇静岡県牛臥海岸高潮対策事業 (平成 28 年(2016) ~令和 9 年(2027)) [静岡県沼津土木事務所] ◆上位計画: 〇第4次沼津市総合計画 (平成 23 年(2011)~平成 32 年(2020)) [沼津市] ◆関連事業: 〇富士・箱根・伊豆 「皇室ゆかりの庭園」ツーリズム (令和元年(2019)~ ) [沼津市、三島市、御殿場市、箱根町] 〇名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 (令和 2 年(2020)3 月策定) [沼津市] 要請 整合 調整 連携 整合 踏襲 踏襲 連携 ◆関連計画: 〇名勝 旧沼津御用邸苑地保存活用計画 (平成 31 年(2019)3 月策定) [沼津市] ◆関連計画: 〇第2次 沼津市都市計画マスタープラン (平成 29 年(2017) ~平成 48 年(2036)) [沼津市] -- 7 of 10 -- 8 第6節 課題 保存活用計画では、課題に関して「松林」「眺望景観」「御用邸時代の建造物・構造物 等」の「保存に関する課題」と「活用に関する課題」について、示されている。
以下に、「保存活用計画」にて示される課題に対して、本計画にて検討を行う事項につ いて整理する。 [保存に関する課題] 【松林】 地区によって、クロマツの林床や樹冠の状態、密度など生育状況が異なっている。 多様な状況を呈している松林に応じた適切な維持管理が求められる。 ① 松林の現況調査 旧沼津御用邸苑地における毎木調査を実施し、現況のクロマツの位置、本数、樹 高、胸高直径等を把握し、適正な維持管理を行っていくための基礎的なデータを収 集・整理する。
② クロマツ林管理計画の策定と実施 現状の維持管理状況を再整理し、安全対策、病虫害対策等、維持管理のあり方に ついて検討を行い、クロマツ林管理計画を策定するとともに、計画に基づいた維持 管理を実施する。 クロマツ林管理計画策定にあたって実施する調査成果を踏まえて、相対幹距比の 考え方等に基づいた適切な樹幹距離の検討を行い、必要に応じて除間伐、補植を実 施する。
③ 松以外の植物の取り扱い 旧沼津御用邸苑地内にはクロマツ以外の様々な樹種の樹木が育成している。こう した樹木の中には皇室ゆかりのものもあるため、今後、残すもの、排除すべきもの 等を選別し適切な管理を行う。 [地区区分図] -- 8 of 10 -- 9 【眺望景観】 苑路から望む多くの眺望景観は松林越しのものとなっているため、より良質な眺望 景観を確保するためには松林の維持管理を行う必要がある。
① 展望地の確保 毎木調査により得られた情報を基に、適切な樹幹距離を確保することとし、防空 壕上部や海岸部等の旧沼津御用邸苑地の各所における展望地を確保する。 ② 計画に基づいた維持管理 クロマツの除間伐及び補植はクロマツ林管理計画に基づいて実施することとし、 松林全体の保全を優先することから、眺望を確保するためだけの伐採等は避ける。
③ 旧沼津御用邸苑地内の良好な景観形成 旧沼津御用邸苑地内には、旧沼津御用邸苑地の景観に調和しないと考えられる施 設等が散見されるため、これらの施設等については、更新等の際に景観との調和を 図る。 【御用邸時代の建造物・構造物等】 御用邸時代の建造物・構造物等は、建築後かなりの時間が経過しているが、昭和 45 年以降に修復が行われているものとそうでないものがある。
修復が行われていて も、東西附属邸は貸会議室等に活用されているため、外観や内装の一部に劣化が確認 できる。特に、修復が行われていないものは劣化が著しい。 ① 耐震診断・耐震化工事の実施 各施設における経過年数や重要度等を考慮し、現行法に基づいた耐震基準への適 合のための耐震診断・耐震化工事や劣化部に関しての修復を実施する。
② 安全性の確保 安全性の確保をめざして、バリアフリーのためのスロープの設置や防火施設とし てのスプリンクラー等を設置する。 ③ 建造物・構造物の更新 旧沼津御用邸苑地内外には御用邸に関連する以外の建造物や構造物(歴史民俗資 料館、遊歩道、便所等)が立地しているが、これらについては、更新時期等に、旧 沼津御用邸苑地の景観等に調和するとともに、連続した、一体的な松林が創出され るよう整備する。
【牛臥海岸高潮対策事業との調整】 旧沼津御用邸苑地が隣接する牛臥海岸約 1.3km 区間(牛臥山公園から学習院遊泳 場まで)では、高潮対策事業が実施されている。旧沼津御用邸苑地に隣接する区間 は、防潮堤が最大約 1.9m の嵩上げされる計画であり、以下の影響が想定される。 ① 松林への影響 防潮堤の高さが増すことにより設置幅が拡大することから、防潮堤法面が旧沼津 御用邸苑地内に広がるため、海浜エリアの一部のクロマツが工事の計画範囲に含ま れてしまう。
② 眺望景観への影響 主に西附属邸エリアと海浜エリアから海岸側を望む眺望景観は大きく変化する。 また、旧沼津御用邸苑地と防潮堤遊歩道の境界には、上部に有刺鉄線が取り付けら れた進入防止柵が設置されており、景観に支障をきたしている。 -- 9 of 10 -- 10 ① 展望地の整備による眺望景観の確保 嵩上げ工事の影響に伴う眺望景観を確保するために、現在展望地として利用され ている部分を中心に、盛土による展望地を整備する。
② 海岸部工作物の更新 海岸部の工作物(既存進入防止柵、遊歩道等)については、嵩上げ工事等の整備 とあわせ、更新を行い、クロマツ林との調和や眺望景観を害することのないような 位置、デザイン、素材、色彩とする。 [活用に関する課題] 【文化財としての価値】 沼津御用邸記念公園が名勝「旧沼津御用邸苑地」として文化財に指定されているこ とへの認識を高める必要がある。
① 情報発信の強化 市の広報紙や HP を活用し、御用邸の歴史・文化を紹介するとともに、講演会な どを通じて、皇室の生活と密接な関係があった、御用邸の魅力を発信する。 ② 案内サインの整備 旧沼津御用邸苑地内の案内サインについては、老朽化したものや仮設的なもの、 必要な箇所にないものを中心に更新・新設を図る。
【年間行事】 皇室写真展など旧沼津御用邸苑地と関係する展示を行っている一方で、関係のない 行事も行われており、名勝としてふさわしい活用方法の検討が不十分である。 ① 地域住民と連携したイベント等の開催 クロマツ林管理計画により補植を実施する場合、地域の子どもたちや住民にボラ ンティアとして参加してもらい、イベントとして補植作業等を実施する。
② 新たな展示方法の活用 西附属邸を中心にこれまで通り、資料等の展示を行っていくが、VR 等の先端技 術の導入についても検討する。 【周辺施設】 文化財関連施設や共通入場券対象施設との連携が取れていない。 ① 既存観光施設等との連携 沼津港みなとまちづくり推進計画等を踏まえて、情報発信や物理的な観光ルート の設定により、沼津港と旧御用邸の連携を強化する。
② 広域連携体制の構築 富士・箱根・伊豆「皇室ゆかりの庭園」ツーリズムへの登録を契機に、互いの情 報の発信や共同イベントを開催する。 ※なお、各種整備項目のうち文化財事業、公園事業の区分については、今後関係機関と 協議の上決定する。 -- 10 of 10 --
第2章 整備の方針PDF 1.8MB
旧沼津御用邸苑地の歴史的価値を守りながら、より多くの人に見学・利用してもらうための整備方針を示しています。松林保全、眺望景観確保、建造物保存、活用促進という4つの柱で進めます。
背景旧沼津御用邸苑地の本質的価値の保存と新たな価値創出を図り、地域づくりやまちづくりにおける位置づけを明確にするため。
- クロマツ林の毎木調査を実施し、管理計画を作成して松林を保全・育成する
- 防潮堤嵩上げ(最大1.9メートル)に対応する展望地を整備する
- 西附属邸の耐震化工事、防火対策、トイレやスロープの整備を行う
- 苑地全体を回遊するルート設定と案内表示を設置して魅力を高める
- 東附属邸を子どもたちの学習の場として活用する
- 老朽化したトイレや東屋などを景観に調和した設計で更新する
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11 第2章 整備の方針 旧沼津御用邸苑地の本質的な価値の保存と顕在化、関連する文化的資源の活用、地域に 根ざした保存と活用、地域づくりやまちづくりにおける位置づけ等を明確にするため、 「保存活用計画」を踏まえて整備方針を設定する。 第1節 旧沼津御用邸苑地の将来像 「保存活用計画」では、保存の基本方針、活用の基本方針、整備の基本方針を定め、 旧沼津御用邸苑地整備の基本的考え方が示されている。
これらを踏まえて、旧沼津御用 邸苑地の将来のあり方を示す指針となる「将来像」について整理する。 ■ 本質的価値(継承していく価値) ◆近代以前からの松林の優れた風致 [適切な維持管理による松林の保全・育成] ◆旧沼津御用邸苑地の広大な敷地に展開する多様な眺望景観 [松林の保全及び海岸護岸の嵩上げを前提] ◆明治期に建てられた貴重な御用邸建築を備えた名勝地 [旧御用邸時代の建物の保存・活用] □ 新たな価値 ◇歴史・文化の情報発信 [HP等の様々な媒体を活用した御用邸の歴史や文化の情報発信、御用邸の理解を 深めるための回遊ルートの設定や案内表示の整備] ◇地域住民等との連携 [地域住民等との協働による旧沼津御用邸苑地の保全・活用] ◇子どもたちの学習環境の創出 [分かりやすい案内表示、校外学習の場としての活用、イベント会場等の様々な利 活用] ◇観光資源としての活用 [様々な観光資源とのネットワーク形成、ガーデンツーリズムによる広域連携] [旧沼津御用邸苑地の将来像] 『近代の御用邸の営みを思い描ける地域に開かれた旧沼津御用邸苑地』 ~旧沼津御用邸苑地の価値の継承と新たな価値の創出~ -- 1 of 8 -- 12 第2節 整備の方針 「保存活用計画」で設定した 4 つの「整備の基本方針」を具現化する、整備の基本的 考え方となる方針を、「保存活用計画」のそれぞれの整備の基本方針に対応する形で設定 する。
第1項 松林の保全をするための整備方針 ・現況のクロマツの位置、本数、樹高、胸高 直径等を把握するため、毎木調査を実施 し、クロマツの育成環境の保全や眺望景観 の確保のために維持管理を行っていく「ク ロマツ林管理計画」を作成する。 ・クロマツ林管理計画においては、クロマツ 林の管理重点ゾーンに対して立木密度等に ついて検討し、必要に応じて除間伐または 補植を行うための事業計画を作成する。
・旧沼津御用邸苑地内のクロマツ林内のアジサイ等の園芸的な灌木等は除去を進め ると共に、富栄養化を防ぐための落葉かきなどを実施し適正な林床を確保する。 [クロマツ林毎木調査状況] -- 2 of 8 -- 13 第2項 眺望景観を保全するための整備方針 (1) 通景眺望 ・松林越しに見る富士山の眺望や防空壕上部の樹間から見る駿河湾の眺望などに ついては、クロマツ林管理計画を基に、除間伐や補植によるクロマツの育成環 境の保全や眺望景観の確保のための維持管理を行うことにより、現況の優れた 眺望景観を維持していくとともに、立木密度に応じた除間伐等により、駿河湾 や牛臥山の眺望の確保等のさらに良好な眺望景観を確保する。
・クロマツ林管理計画により、必要に応じて除間伐、補植を行う際には、通景に 配慮する。特に、防空壕上部などの展望地を整備するとともに、眺望を確保す る。 ・樹間から旧御用邸時代の建造物を見通す景観を確保する。 ※通景のためにクロマツを伐採する場合には、松林の保全・育成に充分配慮す ることとし、クロマツの生育等に支障をきたす恐れがある場合は伐採を行わ ない。
[クロマツの倒木により通景が確保さ れた例(中央は牛臥山)] [本邸エリアの松林(中央に牛臥山が 松陰に見える]※保存活用計画より [防空壕より駿河湾を望む] [防空壕上部への階段] -- 3 of 8 -- 14 (2) 海岸眺望 ・海浜エリアにおいては、津波対策として防潮堤の嵩上げ工事が予定されてお り、防潮堤の高さが高いところで現在の位置より 1.9 メートル程度高くなるこ とから、現状の眺望景観に変化が生じることとなる。
このため、引き続き旧沼 津御用邸苑地側から眺める駿河湾への眺望景観を確保するため、旧沼津御用邸 苑地側から利用できる展望地を整備する。 ・防潮堤の旧沼津御用邸苑地側の法面については、景観に配慮した覆土及び芝張 りによる整備とする。 ・海岸に隣接する松林の保全、海岸部の芝地の活用(高台眺望展望地の整備等)、 景観配慮型進入防止柵の設置等、嵩上げ工事と連続した海岸眺望景観づくりを 行う。
[西附属邸エリア海岸部 松林・芝地] [本邸エリア海岸部 松林・芝地] [西附属邸エリア海岸部 松林・芝地] [本邸エリア海岸部 松林・芝地] -- 4 of 8 -- 15 第3項 御用邸時代の建造物・構造物を保存するための整備方針 (1) 安全性確保 ・西附属邸に代表される御用邸時代の建物 は、耐震性能が確認されておらず、ま た、屋外消火栓は設置されているもの の、スプリンクラーは設置されていない など、安全性に課題を持っている。
耐震 診断・耐震化工事の実施や防火対策強化 等について検討し、利用者の安全性を確 保する。 (2) 利便性向上 ・西附属邸は車いすでの利用ができない状況にある。障害のある人や高齢者が安 全に利用できるように、スロープ設置の可能性等について検討するとともに、 旧沼津御用邸苑地内のトイレの更新にあたっては誰でも使える多目的トイレの 設置を検討し、利用者の利便性を確保する。
(3) 快適性向上 ・現在の建造物は、夏暑く、冬寒い状況にあり、快適に見学できる施設とは言い 難い。建設当時の姿との調和に留意しながら、エアコン等の設置の可能性につ いて検討し、利用者の快適性を確保する。 (4) 計画的な修復 ・定期的な劣化調査や日常点検により、計画的に修復等を実施し、建造物の長寿 命化を図る。
・御用邸時代の構造物についても、定期的な劣化調査や日常点検を実施し、必要 に応じて適切な修復等を行う。 [西附属邸に設置されている消火栓] [西附属邸出入口] [西附属邸内の段差] -- 5 of 8 -- 16 第4項 旧沼津御用邸苑地を活用するための整備方針 (1) ルート設定等による魅力の向上 ・現状、多くの観光客等は西附属邸を見学の後、他の旧沼津御用邸苑地を見学す ることなく帰る人々が多く見受けられる。
旧沼津御用邸苑地全体を多くの人に 見学してもらうため、旧沼津御用邸苑地全体を回遊する「ルートの設定」、子ど もから高齢者、障害のある人にも分かりやすい各旧沼津御用邸苑地内資源の 「案内表示の設置」、市内や市周辺観光資源と連携した「情報のネットワーク 化」を図り、魅力の向上を図る。
(2) 旧沼津御用邸苑地の景観に調和するトイレ・案内板等への更新 ・現在、トイレ、東屋、ベンチ等の利用者へのサービス施設が立地しているが、 老朽化が進んでいる。これらについては、松林と御用邸時代の建造物が織りな す、旧沼津御用邸苑地の景観に調和した材質・デザイン等で更新する。 [既存の東屋] [既存のベンチ] [西附属邸エリアの東屋] [旧本邸エリアの東屋] [石製] [木製] [木製] [木製] [木製+鋼製] [木製+鋼製] -- 6 of 8 -- 17 ・現状の案内表示は、老朽化したものや仮設的なものも設置されている。
また、 必要と考えられる場所に設置されていないなどの状況もある。これらについて は、既存の案内表示と一連性を確保された形で更新・新設を行っていく。 [既存の案内板] [既存の導標] [既存の制札] [左:公園全体案内(鋼製) 右:イベント案内(木製)] [公園全体案内(木製)] [東附属邸案内(木製)] [茶室案内(木製)] [植樹記念案内 (石製)] [防空壕案内(石製)] [展望地案内(木製)] [各施設への導 標(鋼製)] [車椅子利用者に対 する導標(木製)] [各施設への導標(木製)] [進入防止等(木製)] [ペットともに利用する 際の禁止事項(木製)] [喫煙禁止(木製)] -- 7 of 8 -- 18 (3) 新たな利用の促進 ・新たな旧沼津御用邸苑地の利活用方策として、子どもたちの学習の場としての 利用を促進する。
環境や歴史文化を学ぶ校外学習の場として、また、放課後や 休日等に気軽に学習(自習)ができる空間として開放する。(東附属邸を対象) (4) 旧沼津御用邸苑地と調和した遊歩道の整備 ・遊歩道は、海岸とエントランスエリアを繋ぐ通路として、市民等が日常的に利 用している。将来、遊歩道を更新する際は、既存のモルタル石張りや花壇を見 直し、御用邸として使用されていた時代の姿を彷彿とさせ、また旧沼津御用邸 苑地の景観と調和したデザインによる整備を行い、名勝としての価値を高め る。
[地域住民等により植栽された草花] -- 8 of 8 --
第3章 整備基本計画PDF 10.6MB
この計画は、旧沼津御用邸苑地の松林や景観を守り、建造物を安全にし、来訪者が快適に見学できるよう、段階的に整備する内容を示しています。5年から15年かけて、短期・中期・長期に分けて順序をつけながら進める予定です。
背景旧沼津御用邸苑地の価値を守りながら、海岸防潮堤嵩上げなどの影響に対応し、安全で快適な公開施設として利用できるようにするため。
- クロマツ林を管理・除伐採し、富士山など周辺景観を見えるようにする
- 海岸防潮堤嵩上げに伴い、展望台を西附属邸・旧本邸エリアに各1箇所設置
- 海岸部に金属製縦格子の進入防止柵(高さ1.8m)を設置する
- 利用頻度の高い西附属邸・東附属邸を優先に耐震化工事を実施
- スロープ・多目的トイレ・点字ブロックなどのバリアフリー工事を実施
- 来園者向けに案内表示・休憩施設を整備し、回遊ルートを設定
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19 第3章 整備基本計画 ※各整備項目の内、概ね 5 年間で事業を実施するものは[短期事業]、概ね 5 年から 10 年で実施するものは[中期事業]、概ね 10 年から 15 年で実施するものは[長期事業]と した。 第1節 分野別整備計画 第1項 保存に関する整備計画 (1) 松林の保全をするための整備計画(クロマツ林管理計画) 平成 30 年度の樹木調査及び令和元年度に実施する「毎木調査」の結果を踏まえ て、名勝指定基準であるクロマツ林の適正な維持管理を行っていくために必要とな るクロマツ林管理計画を作成する。
クロマツ林管理計画では、松林の生育に適した 林床、立木密度等について解析し、名勝としての保全や活用のために必要となるク ロマツ林の育成環境を改善する。【『クロマツ林管理計画』は第2編に記載】 (2) 眺望景観を保全するための整備計画 富士山をはじめとした、旧沼津御用邸苑地周辺の優れた景観を良好に見通すこと ができるように、クロマツ林管理計画を踏まえて、松林の適正な立木密度について 検討し、必要に応じてクロマツの除伐採を実施する。
また、旧沼津御用邸苑地自体 も名勝として周辺から見られる関係にあることから、旧沼津御用邸苑地の優れた景 観づくりを推進する必要があるため、旧沼津御用邸苑地の景観形成のあり方を整理 する。 ① 眺望景観整備の考え方 1) 通景眺望の確保 [短期事業] 旧沼津御用邸苑地内の通景眺望は、海岸防潮堤付近では駿河湾や松越しの富 士山、牛臥山、大瀬崎など多様な景観を望めるが、松林の中からは樹木や海岸 防潮堤によって美しい景観を眺めることができない。
このため、今後の通景眺 望について、以下の考え方を基に整備を行う。 ◆基本的にはクロマツ林管理計画において、適切に行われた除伐採・補植によ り、樹間から牛臥山や旧御用邸時代の建造物等が見え隠れする景観を結果と して得るものであり、必ずしも松林を伐採して展望地を設定して眺望を確保 するものではない。
このため、展望地を設定する場合は、毎木調査に基づく クロマツ林管理計画を基本とし、展望地確保のためだけの松の木の伐採は行 わない。やむを得ず伐採を行う場合は、松林への影響がないことを確認す る。 ◆クロマツ林は、旧沼津御用邸苑地の内外を区分し、旧沼津御用邸苑地外とは 異なる名勝としての雰囲気を保全する役割を担っていることを踏まえ、整備 を行うものとする。
-- 1 of 50 -- 20 2) 海岸眺望の確保 [短期事業] 旧沼津御用邸苑地は、海岸沿いから広がる駿河湾や牛臥山、伊豆半島への眺 望、松越しに望む富士山など多様な景観が展開し、近代に造営された沼津御用 邸の風致景観が優れて保持されている。名勝の指定は、旧沼津御用邸苑地が近 代日本における近郊海浜保養地の優れた風致景観を伝える事例として重要であ り、名勝として指定することで、その保護を図っていくものであることから、 海岸眺望の確保は、旧沼津御用邸苑地が有する風致景観を保護していくために 欠かせないものである。
このため、牛臥海岸高潮対策事業に伴う影響を最小限 に留めるため、展望地点の設置や旧沼津御用邸苑地側の景観に配慮した覆土・ 芝張り等、必要な整備を行うものとする。 また、苑地内は、松が密集しているため、松の樹間から牛臥山や駿河湾の眺 望景観を臨むことは難しい状態となっている。こうしたことから、今後の海岸 眺望について以下の考え方を基に整備する。
◆海浜エリアの眺望景観の検討は、嵩上げ工事を前提とする。 ◆松林の保全を前提とした除間伐により、可能な限り通景を確保する。 ◆旧沼津御用邸苑地側から利用可能な展望台を整備するとともに、嵩上げ後の 防潮堤については、旧沼津御用邸苑地側に覆土や芝張りを行う等の景観に配 慮した整備を行う。
(旧本邸エリアは、防潮堤嵩上げ後も、現在と同様の眺望 が望めるため、現在の眺望機能を残すものとする。また、西附属邸エリアに ついては、引き続き旧沼津御用邸苑地側から眺める駿河湾への眺望景観を確 保するため、旧沼津御用邸苑地側から利用できる展望地を整備する。) [展望台整備概要] 項 目 概 要 展望台設置位置 *西附属邸エリア:1 箇所 *旧本邸エリア:1 箇所 付帯施設 *階段、スロープ、進入防止柵、ベンチ [西附属邸エリア北側からの牛臥山] [樹間から見た西附属邸] -- 2 of 50 -- 21 [展望台設置位置の案] [展望台イメージ図(断面図)] [展望台設置位置現況] [本邸エリアの芝地(上部にベンチ)] [西附属邸エリアの畑] 展望台設置位置 -- 3 of 50 -- 22 3) 海岸部進入防止柵の整備 [短期事業] 進入防止柵の構造は木製と金属製が考えられる。
木製は自然素材であり、旧 沼津御用邸苑地の景観に調和していると考えられる。ただし、金属製に比べる と構成部材寸法が大きいことから、視界を遮りやすくなる。一方、金属製は、 一般的に耐久性は高いが、錆びる可能性があり、海岸部での利用には注意が必 要である。こうしたことから視認性を重視するとともに、耐久性、経済性、景 観との調和、維持管理の容易性などを総合的に判断して、「進入防止柵は金属製 縦格子」とし、以下の考え方を基に整備する。
◆進入防止柵の高さは現状同様に物理的に進入を防止する柵とし、1.8mとす る。 ◆進入防止柵の設置位置は、嵩上げ後の防潮堤上にある遊歩道と同程度の高さ に、進入防止柵の基礎部分を設置することを整備に係る基本的な考え方とす るが、設置工法や管理に係る安全性等について、静岡県と沼津市で協議を行 い、決定するものとする。
<進入防止柵イメージ> ② 景観形成整備の考え方 旧沼津御用邸苑地内には旧御用邸時代建造物等と一体となった名勝としての松 林の景観に調和しない施設等が存在する。こうしたことから、旧沼津御用邸苑地 内の景観とまとまりのある良好なものとするために、景観形成について以下の考 え方を基に整備する。
1) 周辺景観との調和が課題となる施設等の現状 各エリアにおいて、今後、周辺景観との調和が必要と考えられる施設等を以 下に整理する。これらの施設等については、更新する場合に周辺の旧沼津御用 邸苑地の景観になじむものとすることとし、老朽化等により廃止する場合は、 利用者への安全確保を考慮し解体撤去とする。
[スチール進入防止柵] [アルミ進入防止柵] -- 4 of 50 -- 23 [旧本邸エリア] [東附属邸エリア] [西附属邸エリア] [エントランスエリア] [海浜エリア] [パラソル] [便所] [歴史民俗資料館] [便所] [作業小屋] [便所] [油庫・便所] [防潮堤遊歩道舗装] [遊歩道] [作業スペース] -- 5 of 50 -- 24 2) 景観形成方針 [中期事業] 今後、更新・新設される建造物、構造物等については、デザイン、色彩、構 造、階数等について、松林と御用邸が一体となって醸し出す景観に調和したも のとする。
展望台などから目につく作業スペースなどについても、松林と一体となって 醸し出す景観に調和したものとする。 なお、デザイン、色彩等を検討する場合には、「ぬまづの景観づくり(沼津市 景観計画)」の制限内容等を参考とする。 [(参考)沼津市景観計画色彩基準] (3) 御用邸時代の建造物・構造物を保存するための整備計画 建築物については、日常における利用頻度の高い西附属邸及び東附属邸を対象 に、耐震診断・耐震化工事を実施する。
あわせて、各種構造物についても必要な修 復工事を実施する。 ① 建造物耐震診断・耐震化工事の考え方 御用邸時代の建造物は、そのほとんどにおいて耐震性の有無が不明な状態にあ る。今後は、利用頻度が高い建造物を優先的に耐震診断・耐震化工事を実施して いくとともに、劣化による修復等については、日常点検で確認を行い、きめ細や かに対応するものとする。
なお、建造物耐震診断・耐震化工事については、次ペ ージの考え方を基に整備するものとする。 ※届出対象である、建築物、工作物、開発行為、特定照明について、基準が定められている。 ※赤枠内が採用可能な色彩 -- 6 of 50 -- 25 1) 耐震診断・耐震化工事 [短期事業] 利用頻度の高い西附属邸及び東附属邸を優先的に耐震診断・耐震化工事を実 施する。
耐震診断の結果により、耐震性に問題がある場合は、耐震化計画の策 定及び耐震化工事を実施する。基本的には安全性の確保が第一であるが、現在 の建物を大きく変えることがないよう耐震化工事を行うものとする。 なお、必要に応じて耐震化計画の策定と並行して劣化調査を実施し、耐震化 工事と一体的に修復工事を実施する。
[耐震診断・耐震化工事の流れ] [西附属邸耐震整備スケジュール] 年度 整備内容 令和2年度 耐震工事に係る調査(現況建物調査、図面作成業務) 令和3年度 前年度の調査結果に基づく耐震診断 令和4年度 前年度の診断結果に基づく補強工事に係る関係者協議 令和5年度~7年度 耐震工事 備考 *東附属邸は、西附属邸工事の完了後、同スケジュールで 行うものとする。
2) 修復等 [中・長期事業] 軽微な修復等については、日常点検において不具合等を確認し、不具合があ った場合は、速やかに修復を実施する。 また、劣化の進行を踏まえ、大規模な修復の必要性が発生した場合は、計画 的な修復を実施する。 災害等の発生により、大規模修復の必要性が発生した場合は、応急的な対策 等を行い、その後、修復工事を実施する。
耐震診断 耐震化計画 耐震化工事 活 用 -- 7 of 50 -- 26 [御用邸時代の建造物の概要] № 建物名 延床面積 (㎡) 建設 年度 修復 年度 構造 活用の 有無 備考 旧本邸エリア ① 厩舎(新主馬) 128.91 M29 H15 平屋 木造瓦葺 〇 (多目的 ホール) 修復検討 ② 厩舎(主馬) 89.24 M31 H8 平屋 木造瓦葺 〇 (喫茶室) 修復検討 ③ 官舎 73.54 M26 H25 平屋 木造瓦葺 〇 (そば処) 修復検討 ④ 御文庫 60.60 M29 H18 平屋 木造瓦葺 〇 (倉庫) 修復検討 ⑤ 防空壕 61.99 S16 — RC 造 △ (非公開) (上部は展 望地) 修復検討 東附属邸エリア ⑥ 東附属邸 605.88 M36 S46 H10 平屋 木造瓦葺 〇 (貸会議 室) 西附属邸エリア ➆ 西附属邸 1,253.9 2 M38 S46 H7 一部2階 建て 木造瓦葺 〇 (展示 施設) ⑧ 湯沸所 15.24 M41 H7 平屋 石造 スレート葺 × 修復検討 ⑨ ポンプ舎 9.91 S12 — 平屋 木造瓦葺 × 修復検討 エントランスエリア ⑩ 車庫 146.93 T9 H6 木造 〇 (倉庫) 修復検討 ⑪ 便所 1.65 T11 — 木造 × 修復検討 ⑫ 油庫 3.70 T9 — 石造 × 修復検討 :耐震診断予定建造物 :修復検討建造物 -- 8 of 50 -- 27 ② 建造物その他改修整備の考え方 建造物における耐震診断・耐震化工事、修復以外には、バリアフリー工事、防 火対策工事、快適性向上工事が挙げられる。
これらについては、利用者等の動向 を踏まえ、安全性の確保のため、計画的に各改修を実施する。ただし、実施にあ たっては、名勝内の施設の保全として相応しい工法を検討し、改修の要否も含 め、施設毎に判断するものとする。以下に、各改修の考え方を整理する。 1) バリアフリー工事 [中期事業] 西附属邸、東附属邸を中心に、段差解消(スロープ設置)、多目的トイレの設 置、音声案内装置の設置、点字ブロックの設置等のバリアフリー工事を実施す る。
<バリアフリーイメージ> 2) 防火対策工事 [中・長期事業] スプリンクラー設置を実施する。その際、展示物への影響を考慮する。 3) 快適性向上工事 [中期事業] エアコン設置の可能性検討、活用に合わ せた照明設備(LED 化、展示物等へのスポ ットライト等)等、快適性向上工事を実施 する。
[展示物へのスポットライトの例] ※日光田母沢御用邸(栃木県) [スロープ設置の例] [多目的トイレの例] ※日光田母沢御用邸(栃木県) ※日光田母沢御用邸(栃木県) -- 9 of 50 -- 28 [スロープの基準] ※障害者、高齢者等が円滑に利用できる経路(以下「利円滑化経路」という。
) ◆当該利用円滑化経路を構成する傾斜路(階段に代わり、又はこれに併設するも のに限る。)は、次に掲げるものとすること。 a 幅は、階段に代わるものにあっては 120 センチメートル以上、階段に併設 するものにあっては 90 センチメートル以上とすること。 b 勾こう配は、12 分の 1 を超えないこと。
ただし、高さが 16 センチメート ル以下のものにあっては、8 分の 1 を超えないこと。 c 高さが 75 センチメートルを超えるものにあっては、高さ 75 センチメート ル以内ごとに踏幅が 150 センチメートル以上の踊場を設けること。 [静岡県福祉のまちづくり条例施行規則より抜粋] ③ 各種構造物修復整備の考え方 各種構造物については、日常点検において不具合等を確認し、不具合があった 場合は、速やかに修復を実施する。
また、劣化の進行を踏まえ、大規模な修復の必要性が発生した場合は、計画的 な修復を実施する。 災害等の発生により、大規模修復の必要性が発生した場合は、応急的な対策等 を行い、その後、修復工事を実施する。 現時点で修復が必要と思われる構造物としては「木橋」と「防空壕」が挙げら れる。
構造物物の修復については以下の考え方を基に整備する。 1) 防空壕・本邸御湯殿跡等の修復 [中期事業] 防空壕・本邸御湯殿跡等については、現状で劣化が著しいことから、劣化状 況調査を実施し、あわせて、修復設計・修復工事を実施する。防空壕について は修復の際、内部の公開を念頭に置く。
石橋、旧本邸エリアと東附属邸エリアとの境界にある江ノ浦寅石積塀につい ては、今後、劣化状況をみながら、修復を実施する。 [防空壕] [防空壕(小)] -- 10 of 50 -- 29 [本邸御湯殿跡] [江ノ浦寅石積塀] [本邸正門] [石橋] [貯水槽] -- 11 of 50 -- 30 -- 12 of 50 -- 31 東屋 東 付 属 邸 バリアフリー工 事 東 付 属 邸 防 火 対 策 工 事 東 付 属 邸 快 適 性 向 上 工 事 西 付 属 邸 バリアフリー工 事 西 付 属 邸 防 火 対 策 工 事 西 付 属 邸 快 適 性 向 上 工 事 木 橋 の 劣 化 修 復 視点場の設定 防 空 壕 の 劣 化 修 復 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 至 沼 津 市 街 国 道 414号 至 伊 豆 長 岡 駿河湾 茶室の修復 耐 震 診 断 + 耐 震 化 工 事 耐 震 診 断 + 耐 震 化 工 事 堤 体 の か さ 上 げ ( 沼 津 土 木 事 務 所 事 業 ) P ご来園門 根上がりの松 受付 トイレ 沼津広場 御文庫 喫茶 主馬・新主場 そば処 本邸正門 東附属邸連絡口 トイレ トイレ トイレ 管理事務所 井戸 作業小屋 作業小屋 井戸 ポンプ舎 苑路 車廻し 井戸 トイレ 休憩所兼作業小屋 連絡橋 井戸 東屋 車庫 油庫・便所 社 車廻し 庭門 待合 雪隠 微高地 貯水槽 微高地 井戸 井戸 0 20 50 100m P P 馬場跡広場 歴 史 民 族 資 料 館 倉庫 東 附 属 邸 防空壕跡 駿河待庵 茶室 翠松邸 P プロムナードの更新 作業小屋 皇 太 子 殿 下 御 成 婚 記 念 梅 園 江ノ浦寅石積塀 本邸御湯殿跡 藤棚の道 海辺の芝生広場 西 附 属 邸 受水槽 展望台整備 N 御用邸として整備された建造物・構造物 旧本邸の建造物位置 印内の事業(短期) 印内の事業(中期) 印内の事業(長期) 名勝指定範囲 都市公園として整備された建造物 御用邸時代の建造物 の修復 A3=S1:2000 A1=S1:1000 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 全 体 計 画 図 保 存 に 関 す る 整 備 計 画 -- 13 of 50 -- 32 -- 14 of 50 -- 33 第2項 活用に関する整備計画 (1) 旧沼津御用邸苑地を活用するための整備計画 来訪者がスムーズに旧沼津御用邸苑地を見学できるように、外部を中心とした動 線を設定する。
また、各施設に関する説明について、文字・図面・写真等を用いて 情報提供する手法を検討・整理する。さらに、来園者が快適に見学できるように、 休憩施設・便所・ベンチの位置等を設定する。休憩施設・便所・ベンチ等について は以下の考え方を基に整備する。 〔留意点〕 苑路、案内表示、休憩施設及びトイレに係る整備については、基本的には公園 整備の一環として行うものとする。
ただし、設置の目的や用途等に応じ、文化財 整備としての該当性を検討するものとする。 ① 動線整備の考え方 旧沼津御用邸苑地には現在、多くの苑路が配置されている。これらの苑路につ いて各施設を巡りやすい動線を選定し、適宜、案内表示やベンチ、東屋等を設置 する。動線整備については以下の考え方を基に整備する。
1) 回遊(見学)ルートの設定 [短期事業] 各エリア内の主要回遊ルートを設定するとともに、エリア間を連絡するルー トを設定する。基本的にエントランスエリアから西附属邸エリアをスタートと するルートを設定する。 ルート設定にあたっては、迂回路の設定やスロープ等の設置により、バリア フリー動線を確保する。
2) 苑路 [長期事業] 旧本邸エリアの微高地部分の苑路は、自然のままの状態であり、一般の靴で は歩きにくい状況となっている。このため、周辺の草刈り等とあわせて舗装を 行う。舗装材には様々なものがあるが、周辺景観との同化と歩きやすさを考慮 し、選定する。他の苑路については、現況で大きな問題がないこと、クロマツ 林管理計画において苑路及び苑路周辺での除伐採や補植が必要となることも予 想されることから、その結果を見て苑路舗装材の更新を実施する。
苑路は、高齢者や身障者等の利用にも配慮し、迂回路やスロープなどを整備 する。 -- 15 of 50 -- 34 ② 案内表示整備の考え方 [短期事業] 案内表示は、和のまちなみや和風の公園などに適した「和風サイン」とシャー プで和の要素との対比を楽しむ「金属製サイン」の2つが想定される。
「旧沼津御用邸苑地の将来像」や「整備の方針」等からは、和風サインの方が 全体の景観等に調和すると考えられる。ただし、金属製サインは耐久性に富んで おり、歴史的構造物とは明確に区分できるため、文化財等の一部と間違われるこ とが少なく視認されやすいというメリットもある。これらのことを総合的に判断 し、採用する案内表示を選定する。
案内表示については以下の考え方を基に整備 する。 ◆「苑内案内板」は、旧本邸、西附属邸、東附属邸、馬場に設置する。「施設説明 案内板」は、西附属邸等の現存する施設のほか、旧本邸等の失われた施設につ いても跡地に設置する。「導標」は、苑路が分岐する場所で、かつ既存の導標が 設置されていない場所等に設置する。
◆新規に設置される案内表示は、園内全域で、材質・デザイン等を調和したもの とする。 ◆既存の案内表示については老朽化が進んだ時点で必要箇所に設置するととも に、不要なものを撤去する。 ◆案内板の表記についてはインバウンドも想定した多言語対応を図ることとし、 利用の実態に応じた言語の選定を行うほか、ユニバーサルデザインを取り入れ た、だれもがわかりやすい表示とする。
③ 休憩施設整備の考え方 1) 東屋 [短期事業] 東屋は散策中の日除け、雨除けに欠かせない施設であるため、回遊ルートに 沿って適宜配置する。老朽化が顕著な東屋についても改修する。 東屋の構造・形態・材質は旧沼津御用邸苑地の景観になじむ物とする。 2) ベンチ [短期事業] 現在の旧沼津御用邸苑地内には様々なタイプのベンチが設置されており、老 朽化が著しいものも見受けられる。
ベンチは耐久性を考慮しながら旧沼津御用 邸苑地の景観に違和感のない、デザイン・材質等のベンチを回遊ルートに沿っ て適宜配置する。 ④ トイレ改修の考え方 [短・中期事業] 現在、園内には3ヶ所の公衆トイレがあるが、老朽化が進んでおり臭気がある とともに、身障者対応トイレもなく、デザイン等が周辺景観に馴染んでいないな ど、多くの問題を抱えている。
このため、計画的に建替えを行う。 -- 16 of 50 -- 35 (2) 公開・活用、管理・運営計画 現在の公開状況等を踏まえて、公開・活用の考え方や公開方法等について検討す る。また、現在の管理・運営体制等を基に、管理・運営の考え方について検討す る。さらに、まちづくりに寄与する、周辺の歴史文化施設等との連携方法等を検討 する。
① 公開・活用の考え方 基本的に現況の公開・活用方法を踏襲するが、新たな活用の可能性についても 検討する。公開・活用については以下の考え方を基に整備する。 1) 西附属邸の公開・活用 [中期事業] 基本的には現状のとおり一般公開を基本 とする。ただし、歴史民俗資料館が可能性 として仮に移転・解体された場合には、一 部の情報の受け皿とする。
現在の展示物等 については新たな展示物とあわせて、展示 公開は密度を濃く集約(ICT 化)する。西 附属邸は展示と情報公開の場とし東附属邸 は貸出スペースとして、利用者に分かりや すいように、その利活用方法を明確に区分 する。 2) 東附属邸の公開・活用 [中期事業] 現在の会議室等としての貸出を基本としながら、新たな利用方法として、子 どもたちの学習の場(教室)として活用する。
◆団体利用(学校の授業、校外学習) ◆個人利用(放課後等の勉強の場所) その他、小規模な結婚式、各種祝い事、故人を偲ぶ会など様々な行事に貸し 出す。その場合、適切な利用がなされるように、利用方法、片付け方法、ごみ の処分方法(持ち帰り)、火器の取り扱い方法、料金支払い方法などを定めた利 用上のルールを作る。
貸出の利用があるときには一般の見学者は東附属邸の内部を見学できないこ とから、一部について貸出利用時における一般開放を実施する。 [西附属邸内の展示物公開状況] -- 17 of 50 -- 36 また、東附属邸敷地内に立地している茶 室については、現在、一般公開はされてい ない状況にある。
利用されない建物は、そ の傷みの進行が早まることから、茶会等な どの貸出利用がない際には一般公開を実施 する。 3) 旧本邸の公開・活用 [長期事業] 現状は、旧本邸がどこに建てられていたか、その大きさはどのくらいなのか が分からない状況にある。このため、車廻しと一体となった植栽(芝生+縁 石)による、当時の大きさのままの平面表示を行う。
また、エントランスエリア、旧本邸エリア、西附属邸エリア、東附属邸エリ ア、海浜エリアの回遊性を案内表示の充実等によりスムーズにし、松林の整 備、眺望景観の確保、御用邸時代の建造物の整備、その他各種施設整備等によ り、各エリアの魅力を増加し、利用者を各エリアに呼び込む。 ※名勝旧沼津御用邸苑地保存活用計画より <旧本邸の位置図> [東附属邸敷地内の茶室] -- 18 of 50 -- 37 <皇室ゆかりの施設の一部を復元した例> <皇室ゆかりの施設の一部を改装し、展示スペースとして活用している例> ※神奈川県立恩賜箱根公園(箱根町) ※秩父宮記念公園(御殿場市) [展示スペース] 享保 8 年(1723 年)に建設された母屋 記念館から内部の拝観可 ※平成 4 年にできた新館の建物を改装してつくられた記念館(展示室) [記念館入口] [湖畔展望館(旧離宮の西洋館の復元)] -- 19 of 50 -- 38 4) 防空壕の公開・活用 [中期事業] 旧本邸エリア南側には大小2つの防空壕が現存している。
現在は展望地とし て、その上部が展望台的な利用がなされている。防空壕に関する案内表示を充 実させるとともに、宮内庁等の関係機関と協議し、修復工事を実施し安全性を 確認した上で、公開に向けて調整を図っていく。 <皇室ゆかりの防空壕を修復し、公開している例> ② 管理・運営の考え方 管理・運営については以下の考え方を基に整備する。
1) 基本的な管理・運営手法 [短期事業] 基本的に現況と同様に指定管理者制度で管理・運営を行う。 2) 今後の管理・運営手法の検討 ア 地域住民等と連携した管理・運営体制の確立 [中期事業] 現在も実施されているボランティアによる清掃活動等をさらに充実し、地域 住民等とも連携し、組織化を図る等新たな管理・運営体制を確立する。
特に、 落ち葉かきなどの松林の保全に必要な作業については、積極的な地域住民の協 力を仰ぐ。 ※秩父宮記念公園(御殿場市) [秩父宮同妃両殿下防空壕入口] [将校用防空壕入口] [秩父宮同妃両殿下防空壕内部] [将校用防空壕内部] -- 20 of 50 -- 39 イ 民間活力を活用した事業手法の導入 [長期事業] ひとつの想定として、ビジターセンター等の新たな収益施設が導入された際 には、民間との連携という観点から、PFI等の事業手法の導入を検討する。
このような官民連携による民間の資金やノウハウを活かした事業が展開される ことにより、新たな御用邸の活用(運営)方法の確立が期待できる。 PFIとは・・・ PFIとはプライベイト・ファイナンス・イニシアティブの略 公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共 サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図 るという考え方 【従来型と PFI 型の事業手法の比較】 従来型(個別業務委託) PFI 型※ 概要 企画立案から事業運営まで全て を公共が実施。
部分的な業務や 工事を個別に民間事業者に発注 民間が「資金調達」と「設計、 施工、維持管理・運営」を一括 して実施 施設所有権 官 民 資金調達 官 民 設計 官 民 建設 官 民 維持管理 民 民 運営 民 民 ※BOT 方式(事業終了時に、施設所有権を自治体へ移転する方式)を想定 【類似する施設でのPFI導入例】 ◆道立噴火湾パノラマパークビジターセンター等整備運営事業(北海道) 北海道の道立噴火湾パノラマパーク内の公園施設(管理事務所・多目的体育館・体験学習室・ 物販スペース・駐車場・オートキャンプ場等)の設計・建設・維持管理及び運営に PFI 手法を 採用したもの ◆神奈川県立近代美術館新館(仮称)等特定事業(神奈川県) 我が国で初めて美術館の整備にPFIを導入し、BOT方式(民間事業者が施設等を建設し、 維持・管理及び運営し、事業終了後に公共施設等の管理者等に施設所有権を移転する事業方 式)を採用。
これまでの美術館経営のノウハウを十分に生かしつつ、附帯事業・維持管理事業に関しては民 間事業者のノウハウが生かせるような仕組みが作られた。 附帯事業として、葉山館の駐車場、喫茶・レストラン、ミュージアムショップの運営 を義務付 けた結果、民間事業者の創意工夫が発揮された提案が行われ、美術館利用者の利便性に寄与する こととなった。
-- 21 of 50 -- 40 ウ 地域住民等のイベント等の場としての活用 [中期事業] 旧沼津御用邸苑地と類似する皇室ゆかりの庭園である「三島市立公園楽寿園 (国指定 天然記念物 名勝)」では、地域住民等のイベントの場として活用 されているほか、のりもの広場やどうぶつ広場が整備され、子ども達などの利 用も多くみられる。
地元住民や子ども達等の利用促進は、旧沼津御用邸苑地への愛着や歴史文化 の意識の醸成・継承につながるものであり、旧沼津御用邸苑地においても、地 元のイベント等の開催や子ども達等が楽しむことができる仕組み等を構築し、 名勝としての本質を明確にしながら、旧沼津御用邸苑地を弾力的に活用する。
また、整備される展望台や苑路などについて、皇室ゆかりのネーミングなど を市民等へ公募するなど、旧沼津御用邸苑地に愛着をもてるイベントなどを企 画する。 <皇室ゆかりの庭園におけるイベント開催の例> <子ども達の利用も視野に入れた公園整備の例> ※三島市立公園楽寿園(三島市) どうぶつ広場 のりもの広場 [2020.01.12 開催の三島ベジタブルフェスの様子] -- 22 of 50 -- 41 ③ 広域整備の考え方 1) 既存関連計画等における位置づけ 以下に、既存関連計画における旧御用邸の位置づけや広域で行われている旧 御用邸に係る取り組みを整理する。
計画名等 概要 沼津港みな とまちづく り推進計画 沼津市の観光の中心となる沼津港 においては、現在、「沼津港みなとま ちづくり推進計画」を進めており、 その中においても、沼津港と旧御用 邸の連携の必要性が記述されてい る。 具体的には、千本松原、狩野川、 沼津アルプスや御用邸など、沼津港 周辺の自然や、文化・歴史施設等と の連携を強化し、潮の音プロムナー ドや我入道の渡しの利用を促進する など、沼津港の来訪者を周辺施設へ いざなう。
[沼津港みなとまちづくり推進計画 より] 市 HP 潮の音プロムナードより⇒ -- 23 of 50 -- 42 計画名等 概要 富士・箱根 ・伊豆 「皇室ゆか りの庭園」 ツーリズム 国土交通省では、地域の活性化と庭園文化の普及を図るため、各地域の 複数の庭園の連携により、魅力的な体験や交流を創出する取組をガーデン ツーリズムとして推進していくとしており、「沼津御用邸記念公園」「三島 市立公園楽寿園」「恩賜箱根公園」「秩父宮記念公園」の4箇所が『富士・ 箱根・伊豆 「皇室ゆかりの庭園」ツーリズム』に登録された。
「皇室ゆかりの庭園」を巡るという、新たな富士・箱根・伊豆地域の楽 しみ方を発信することにより、本地域でのインバウンドを含めた観光客の さらなる増加及び周遊を図り、滞在時間を延ばすことで、宿泊・飲食・物 販等の需要を喚起する。このように、本地域の新たな楽しみ方を地域から 企画・発信するという着地型観光の視点から、地域の一層の活性化に貢献 する。
令和元年度は、共通ポスターやチラシの作成、配布したとともに、共同 イベントの開催、4 公園を巡るツアーの企画などを実施した。 2) 広域整備の検討 以上のように、広域的な連携強化が望まれており、沼津御用邸記念公園も大 きな役割を担うことが求められていることから、今後、具体的な連携方策につ いて検討する。
ア 連携したイベントの検討 [短期事業] 沼津港など市内で行われるイベント等と あわせ、旧沼津御用邸苑地においてもイベ ントを実施するなど、他のイベントとの連 携したイベント開催等を実施する。 沼津港側からの「我入道の渡し」や「潮 の音プロムナードの有効活用」もあわせ、 イベント等を実施する。
また、富士・箱根・伊豆「皇室ゆかりの 庭園」ツーリズム協議会等を活用し、共同 イベント等を充実する。 富士・箱根・伊豆「皇室ゆかりの庭 園」ツーリズムにおいて実施され ているスタンプラリー -- 24 of 50 -- 43 イ PRの強化 [短期事業] 旧沼津御用邸苑地 HP における旧沼津御用邸苑地の歴史・文化的価値やイベ ント等の情報発信とあわせ、既存観光施設等との連携による旧沼津御用邸苑地 に関わる情報発信を強化する。
◆市の広報紙や HP 等での旧沼津御用邸苑地の情報発信の強化 ◆観光協会等の関係団体との連携による情報発信の強化 ◆「三島市立公園楽寿園」「恩賜箱根公園」「秩父宮記念公園」との連携による 相互の情報発信の強化 ウ 牛臥海岸エリアにおける活用[短期事業] 旧沼津御用邸苑地を含む牛臥海岸周辺は、風光明媚な保養地として、かつて は数多くの政財界人別荘が設けられていた。
このような歴史的背景から、現在 においても、旧沼津御用邸苑地が有する格調高い雰囲気が旧沼津御用邸苑地外 でも感じることができ、また風致地区として指定された地域である。これらの ことを踏まえ、当該地域は、現在有する雰囲気を将来においても引き続き感じ ることができるよう、整備を行うものとする。
[沼津御用邸に係るイベント開催の パンフレット] [富士・箱根・伊豆「皇室ゆかりの庭 園」ツーリズム啓発パンフレット] -- 25 of 50 -- 44 -- 26 of 50 -- 東屋 (微高地部) 商業施設の利活用 西付属邸の展示方法のリニューアル 園地の有効活用 管理部門との利用区分 の明確化 ( 芝 生 広 場 等 の 整 備 ) ( 沼 津 垣 整 備 ) 苑 路 整 備 ( 除 草 ・舗 装 ) 旧 本 邸 の 平 面 表 示 ( 芝 生 +縁 石 ) 防 空 壕 の 説 明 ( 案 内 表 示 整 備 ) 45 至 沼 津 市 街 国 道 414号 至 伊 豆 長 岡 駿河湾 堤 体 の か さ 上 げ ( 沼 津 土 木 事 務 所 事 業 ) 駐車場動線の案内表示の明確化 P ご来園門 根上がりの松 受付 トイレ 沼津広場 御文庫 喫茶 主馬・新主場 そば処 本邸正門 東附属邸連絡口 トイレ トイレ トイレ 管理事務所 井戸 作業小屋 作業小屋 井戸 ポンプ舎 苑路 車廻し 井戸 トイレ 休憩所兼作業小屋 連絡橋 井戸 東屋 車庫 油庫・便所 社 車廻し 庭門 待合 雪隠 微高地 貯水槽 微高地 井戸 井戸 0 20 50 100m P P 馬場跡広場 歴 史 民 族 資 料 館 倉庫 東 附 属 邸 防空壕跡 東屋 東屋 東屋 P 作業小屋 皇 太 子 殿 下 御 成 婚 記 念 梅 園 江ノ浦寅石積塀 本邸御湯殿跡 藤棚の道 海辺の芝生広場 西 附 属 邸 駿河待庵 茶室 翠松邸 受水槽 N 御用邸として整備された建造物・構造物 旧本邸の建造物位置 印内の事業(短期) 印内の事業(中期) 印内の事業(長期) 名勝指定範囲 都市公園として整備された建造物 制札(注意書き) 導標 施設説明案内板 苑内案内板 広域観光案内板 整備 整備 整備 整備 整備 整備 ベンチ 東屋改修又は新設 トイレ改修 散策路(徒歩) 散策路(徒歩+車椅子) A3=S1:2000 A1=S1:1000 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 全 体 計 画 図 活 用 に 関 す る 整 備 計 画 -- 27 of 50 -- 46 -- 28 of 50 -- 47 第2節 エリア別整備計画 「保存活用計画」の旧沼津御用邸苑地全体の整備の方向性を受けて、「保存活用計画」 で設定されている、5 つの特徴あるエリア毎に、整備の内容を整理する。
第1項 A.旧本邸エリア整備 旧沼津御用邸苑地のほぼ中央のエリアで、本邸が位置し、沼津御用邸の中心であっ た。本邸は空襲により焼失してしまったが、厩舎や防空壕、本邸正門や馬場跡などが 現存している。また、本邸の跡地には歴史民俗資料館が設置されている。本エリアの 整備内容及び整備時期を以下に整理する。
[旧本邸エリア内における整備項目] 整備項目 整備時期 ◇海岸眺望の確保 【海浜エリア側芝地展望台、防空壕上部展望台】 短期事業 ◇休憩施設の整備【トイレ】 短・中期事業 ◇松林・芝生地の保全・活用 短・中期事業 ◇防空壕・本邸御湯殿跡地等の修復と防空壕の公開 中期事業 ◇歴史民俗資料館の利活用 中期事業 ◇御用邸時代の建造物の修復 【厩舎(新主馬・主馬)、官舎、御文庫】 中・長期事業 ◇苑路整備【微高地部】 長期事業 ◇旧本邸の平面表示(芝+縁石) 長期事業 ◇商業施設の利活用 長期事業 (1) 松林・芝生地の保全・活用 [短・中期事業] このエリアは芝生面積が最も多く、松林の見通しも比較的良く、芝生と松林が一 体となって良好な緑の景観を創り出している。
今後はクロマツ林管理計画を踏まえ て、この景観を保全・育成していく。特に芝生については、本エリアの特性である ことから、旧本邸の平面表示に芝生を活用するなど、芝生面積を増やす整備を実施 する。 このエリアには、西附属邸エリアとの間に遊歩道があり、エントランスエリアと 海岸をつなぐ動線として地域住民に利用されている。
さらに、地域住民のボランテ ィア活動による草花の植栽も実施されている。一方で、遊歩道部のクロマツの根上 りや旧御用邸と松林の景観に調和しないという意見も散見される。 将来、遊歩道を更新する際は、既存のモルタル石張りや花壇を見直し、御用邸と して使用されていた時代の姿を彷彿とさせ、また旧沼津御用邸苑地の景観と調和し たデザインによる整備を行うものとする。
-- 29 of 50 -- 48 (2) 商業施設の利活用 [長期事業] 本エリア北側には「そば処」と「喫茶」の商業施設が立地している。季節にもよ るが閑散期には、利用が少ない状況にある。建物は御用邸時代の建造物であること から、それらを活かしたメニューの提供など新たな利活用を図る。
また、これらの施設は耐震性能が確認されていないことから、順次、耐震診断・ 耐震化工事を実施する。 [旧本邸エリアの芝生と松林(海岸側)] [旧本邸エリアの芝生と松林(馬場跡広場)] [遊歩道(木橋付近)] [遊歩道のクロマツの根上り] [旧本邸の馬屋を改装した喫茶主馬] [旧本邸の馬屋を改装した新主馬(交流スペ ース)] -- 30 of 50 -- 49 (3) 歴史民俗資料館の利活用 [中期事業] 歴史民俗資料館の建物は、経年による老朽化が激しいこと、収蔵品の数が多く、適 切な保管を維持することが困難であることが課題となっている。
また、本資料館は、 旧沼津御用邸に関する資料が少ないことも踏まえ、旧沼津御用邸苑地外への機能移 転も視野に入れて進めていくものとする。 [歴史民造資料館(外観)] [歴史民造資料館(内部展示スペース)] [歴史民造資料館付近の花壇] -- 31 of 50 -- 50 第2項 B.東附属邸エリア整備 学問所として設置された東附属邸を中心としたエリアである。
東附属邸は、沼津御 用邸記念公園の一環として修復が行われた。その際、茶室(翠松亭)や庭園が整備さ れ、一体的に貸室として利用されている。本エリアの整備内容及び整備時期を以下に 整理する。 [東附属邸エリア内における整備項目] 整備項目 整備時期 ◇東附属邸の耐震診断・耐震化工事 短期事業 ◇庭園の維持管理と活用 短期事業 ◇茶室の修復 短期事業 ◇見学ルートの明確化 短期事業 ◇休憩施設の整備【トイレ】 短・中期事業 ◇東附属邸のバリアフリー工事 中期事業 ◇東附属邸の快適性向上工事 中期事業 ◇東附属邸の公開・活用 中期事業 ◇東附属邸の防火対策工事 中・長期事業 (1) 庭園の維持管理と活用 [短期事業] 東附属邸の庭園は他のエリアとは異なった落ち着いた雰囲気を醸し出している。
今後とも、植栽管理計画の作成などにより、適切な維持管理を進めるとともに、多 くの人に利用してもらえるように、庭園の由来や庭園の見どころ、四季に庭園に咲 く花々や木々で鳴く鳥の紹介等を記載した案内表示を設置する。 [東附属邸の庭園] [案内表示イメージ] -- 32 of 50 -- 51 (2) 茶室の修復 [短期事業] 御用邸時代の建造物ではないが、趣のあるたたずまいとなっている。
茶室として の利用だけでなく、日本文化の稽古の場等に積極的に活用していく必要がある。子 どもたちの校外学習の場としての活用も考えられる。 なお、茶室については一部劣化がみられるところがあることから、劣化部分につ いて早急に修復を実施する。 (3) 見学ルートの明確化 [短期事業] 本エリアは、旧本邸エリアと江ノ浦寅石積塀により隔てられているため、つなが りが薄い上に、エントランスエリアからの距離もあり、訪れる人も少ない状況にあ る。
有料エリア、無料エリアの再設定とあわせて、他エリアとの一体感を創出する ため、見学ルートを再設定し、あわせて東附属邸の内容を詳細に伝える案内表示を 充実する。 [旧本邸エリアと東附属邸エリアの境界に ある江ノ浦寅石積塀] [東附属邸エリアから海岸防潮堤に出る 階段] [旧本邸エリアから東附属邸エリアへ 出る出口] -- 33 of 50 -- 52 第3項 C.西附属邸エリア整備 三親王用の御用邸としてとして設置された西附属邸を中心としたエリア。
西附属邸 は、沼津御用邸記念公園の整備の一環として修復が行われた。その際、管理事務所や 梅園が整備されている。西附属邸内は御用邸時代の家具や調度品を展示するなど、見 学施設として活用されている。本エリアの整備内容及び整備時期を以下に整理する。 [西附属邸エリア内における整備項目] 整備項目 整備時期 ◇海岸眺望の確保【展望台整備】 短期事業 ◇西附属邸の耐震診断・耐震化工事 短期事業 ◇旧沼津御用邸苑地内でも優れた眺望景観の保全 短期事業 ◇西附属邸の展示方法のリニューアル 中期事業 ◇管理部門との利用区分の明確化 中期事業 ◇西附属邸のバリアフリー工事 中期事業 ◇西附属邸の防火対策工事 中期事業 ◇西附属邸の快適性向上工事 中・長期事業 ◇御用邸時代の建造物の修復等【湯沸所・ポンプ舎】 中・長期事業 (1) 旧沼津御用邸苑地内で最も優れた眺望景観の保全 [短期事業] 本エリアの北西部海岸側の一部から は、富士山の頂部及び牛臥山が望め、 旧沼津御用邸苑地内松の樹間からは牛 臥山が見ることができる。
しかし、松 が密集していることもあり、はっきり と見通せる状態にはなっていない。今 後はクロマツ林管理計画を踏まえて、 松の除伐採・補植により松林の保全・ 育成を前提として、この眺望景観を可 能な限り保全する。 (2) 西附属邸の展示方法のリニューアルの検討 [中期事業] 西附属邸の中では、貴重な資料等が展示・説明されている。
今後はさらに分かり やすく興味を引くような展示内容とするために、VR などの先端技術の導入につい ても検討する。あわせて現在実施している案内ガイドのさらなる充実やガイドの養 成講座の開講などソフト面でも対応する。 [富士見ポイントから望む富士山] -- 34 of 50 -- 53 〈他の類似施設における展示方法〉 (3) 管理部門との利用区分の明確化 [中期事業] 本エリア北側には作業小屋が立地しており、様々な資材や間伐材、松葉の堆積も みられる。
現況では一般者の利用エリアとの区別がされていない状況で、目隠しも なく露出されている。今後は区分を明確にし、沼津垣等で物理的に区分するなど、 景観にも配慮しつつ、散策する利用者の安全性・快適性を確保する。 [八王子城跡] [五稜郭跡] [浪岡城跡] [秩父宮記念公園] [西附属邸エリアの作業スペース] [西附属邸周辺に配置された沼津垣] -- 35 of 50 -- 54 第4項 D.エントランスエリア整備 御用邸時代の車庫や老朽化が著しい油庫、便所が現存している。
塀外ではあるもの の、沼津御用邸の敷地として一体的に利用されていた。沼津御用邸記念公園の駐車場 として使用されている。本エリアの整備内容及び整備時期を以下に整理する。 [エントランスエリア内における整備項目] 整備項目 整備時期 ◇駐車場動線の案内表示の明確化 短期事業 ◇休憩施設の整備【トイレ】 短・中期事業 ◇バリアフリー化への対応【トイレ】 短・中期事業 ◇御用邸時代の建造物の修復【車庫、便所、油庫】 中・長期事業 ◇園地の有効活用【芝生広場等の整備】 長期事業 (1) 駐車場動線の案内表示の明確化 [短期事業] 本エリアには駐車場が整備されているが、案内があいまいで駐車や進出入に迷う 場合がある。
また、駐車場内は歩車分離となっていないため、人と車の交錯もみら れる。特に大型バスで多くの人が乗り降りする場合には危険が伴う。このため、歩 車分離を充実させるとともに、車に対しての誘導として、行き先表示や進入禁止、 一時停止表示等の案内表示を充実させ、安全で快適な駐車場となるように整備す る。
(2) バリアフリー化への対応 [短・中期事業] エントランスエリアにあるトイレには身障者対 応のトイレがないなど、バリアフリー化がなされ ていない。今後は、トイレの更新に合わせバリア フリー化を図るとともに、西附属邸のバリアフリ ー化とあわせて、段差解消や点字ブロックの設置 等のバリアフリー化を図る。
[エントランスエリア駐車場] [エントランスエリア車道] [エントランスエリアトイレ] -- 36 of 50 -- 55 (3) 園地の有効活用の検討 [長期事業] エントランスエリアの駐車場以外の部分は、人の出入りもなく、閑散とした空間 となっている。公園エリアでもあることから、地域住民が気軽に利用できるよう に、芝生広場等を整備する。
また、地域住民との連携により、草花の植栽等を行う など、もてなしの心を表現するエリアとする。 なお、車庫、油庫、便所については老朽化が特に著しく、倒壊等により利用者へ の危害が及ぶ可能性もあるため、修復を実施する。 [車庫] [油庫・便所] -- 37 of 50 -- 56 第5項 E.海浜エリア整備 防潮堤遊歩道からは、駿河湾を広く見渡すことができ、牛臥山や瓜島、伊豆半島を 望む。
指定範囲外ではあるものの、松林越しに雄大な富士山を眺望することができ る。遊歩道と砂浜を隔てて擬木の柵が設置されている。また、遊歩道と旧沼津御用邸 苑地は進入防止柵により隔たれている。高潮対策事業により防潮堤の嵩上工事が予定 されている。本エリアの整備内容及び整備時期を以下に整理する。
[海浜エリア内における整備項目] 整備項目 整備時期 ◇海岸眺望の確保 短期事業 ◇海岸部進入防止柵の整備 短期事業 ◇眺望景観の維持【展望台整備】 短期事業 (1) 眺望景観の維持 [短期事業] 現在の旧沼津御用邸苑地側から海浜エリアを見た眺望は、樹間を通して防潮堤の 進入防止柵越しに見ることとなり、一部を除いて駿河湾もほとんど見えない状況に ある。
海浜エリアの眺望景観は、嵩上げ工事を前提とすることから、防潮堤の高さ が約 1.9m、今より高くなることになり、さらに眺望が利かなくなる。こうしたこ とから、新たな展望地(展望台整備)の創出などにより、嵩上げ工事に対応した新 たな海浜エリアの眺望景観を創出する。また、嵩上げ工事とあわせて、現状の有刺 鉄線付きの金網進入防止柵から、周辺景観に配慮するとともに見通しの良い進入防 止柵を整備する。
-- 38 of 50 -- 堤 体 の か さ 上 げ ( 沼 津 土 木 事 務 所 事 業 ) 耐 震 診 断 + 耐 震 化 工 事 耐 震 診 断 + 耐 震 化 工 事 苑 路 の 整 備 57 展 望 台 整 備 展 望 台 整 備 視点場の設定 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 至 沼 津 市 街 国 道 414号 至 伊 豆 長 岡 駐車場動線の案内表示の明確化 東屋 駿河湾 茶室の修復 P ご来園門 根上がりの松 受付 トイレ 沼津広場 御文庫 喫茶 主馬・新主場 そば処 本邸正門 東附属邸連絡口 トイレ トイレ トイレ 管理事務所 井戸 作業小屋 作業小屋 井戸 ポンプ舎 苑路 車廻し 井戸 トイレ 休憩所兼作業小屋 連絡橋 井戸 東屋 車庫 油庫・便所 社 車廻し 庭門 待合 雪隠 微高地 貯水槽 微高地 井戸 井戸 0 20 50 100m P P 馬場跡広場 歴 史 民 族 資 料 館 倉庫 東 附 属 邸 防空壕跡 東屋 東屋 東屋 P 作業小屋 皇 太 子 殿 下 御 成 婚 記 念 梅 園 江ノ浦寅石積塀 本邸御湯殿跡 藤棚の道 海辺の芝生広場 西 附 属 邸 展望台整備 駿河待庵 茶室 翠松邸 受水槽 N 御用邸として整備された建造物・構造物 旧本邸の建造物位置 印内の事業(短期) 印内の事業(中期) 印内の事業(長期) 名勝指定範囲 都市公園として整備された建造物 制札(注意書き) 導標 施設説明案内板 苑内案内板 広域観光案内板 整備 整備 整備 整備 整備 整備 ベンチ 東屋改修又は新設 トイレ改修 散策路(徒歩) 散策路(徒歩+車椅子) 全 体 計 画 図 A3=S1:2000 A1=S1:1000 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 -- 39 of 50 -- 58 -- 40 of 50 -- ( 耐 震 診 断 +耐 震 化 工 事 ) 苑 路 の 整 備 40m 20 0 N 旧 本 邸 の 平 面 表 示 ( 芝 生 ・ 縁 石 ) 江ノ浦寅石積塀 展望台整備 視点場の設定 商業施設の利活用 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 苑 路 整 備 ( 除 草 ・舗 装 ) 防 空 壕 の 説 明 ( 案 内 表 示 整 備 ) 防 空 壕 の 劣 化 修 復 防空壕跡 59 展 望 台 整 備 井戸 トイレ 井戸 倉庫 東附属邸連絡口 東屋 馬場跡広場 井戸 本邸御湯殿跡 微高地 歴 史 民 族 資 料 館 東屋 本邸正門 そば処 倉庫 喫茶 主馬・新主場 井戸 休憩所兼作業小屋 御文庫 藤棚の道 連絡橋 御用邸時代の建造物 の修復 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 A3=S1:1000 A1=S1:500 A . 旧 本 邸 エ リ ア 計 画 図 御用邸として整備された建造物・構造物 旧本邸の建造物位置 印内の事業(短期) 印内の事業(中期) 印内の事業(長期) 名勝指定範囲 都市公園として整備された建造物 制札(注意書き) 導標 施設説明案内板 苑内案内板 広域観光案内板 整備 整備 整備 整備 整備 整備 ベンチ 東屋改修又は新設 トイレ改修 散策路(徒歩) 散策路(徒歩+車椅子) -- 41 of 50 -- 60 -- 42 of 50 -- 修復 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 茶室の修復 20 0 40m N 耐 震 診 断 + 耐 震 化 工 事 東 付 属 邸 バリアフリー工 事 東 付 属 邸 防 火 対 策 工 事 東 付 属 邸 快 適 性 向 上 工 事 61 駿河待庵 茶室 翠松邸 東 附 属 邸 待合 雪隠 微高地 トイレ 東屋 トイレ 江ノ浦寅石積塀 東附属邸連絡口 P 車廻し 庭門 貯水槽 馬場跡広場 御用邸時代の建造物 の修復 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 A3=S1:1000 A1=S1:500 B . 東 附 属 邸 エ リ ア 計 画 図 御用邸として整備された建造物・構造物 旧本邸の建造物位置 印内の事業(短期) 印内の事業(中期) 印内の事業(長期) 名勝指定範囲 都市公園として整備された建造物 制札(注意書き) 導標 施設説明案内板 苑内案内板 広域観光案内板 整備 整備 整備 整備 整備 整備 ベンチ 東屋改修又は新設 トイレ改修 散策路(徒歩) 散策路(徒歩+車椅子) -- 43 of 50 -- 62 -- 44 of 50 -- 63 N 40m 0 20 ( 沼 津 垣 整 備 ) 耐 震 診 断 + 耐 震 化 工 事 西 付 属 邸 バリアフリー工 事 西 付 属 邸 防 火 対 策 工 事 西 付 属 邸 快 適 性 向 上 工 事 西 付 属 邸 展 示 方 法 の リ ニ ュ ー ア ル 受付 トイレ 主馬・新主場 管理事務所 井戸 作業小屋 車庫 油庫・便所 P 西 附 属 邸 連絡橋 井戸 そば処 倉庫 喫茶 ご来園門 受水槽 社 車廻し 作業小屋 ポンプ舎 苑路 沼津広場 井戸 作業小屋 トイレ クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 根上がりの松 皇 太 子 殿 下 御 成 婚 記 念 梅 園 プロムナードの更新 海辺の芝生広場 東屋 管理部門との利用区分 の明確化 木 橋 の 劣 化 修 復 展 望 台 整 備 御用邸時代の建造物 の修復 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 A3=S1:1000 A1=S1:500 C . 西 附 属 邸 エ リ ア 計 画 図 御用邸として整備された建造物・構造物 旧本邸の建造物位置 印内の事業(短期) 印内の事業(中期) 印内の事業(長期) 名勝指定範囲 都市公園として整備された建造物 制札(注意書き) 導標 施設説明案内板 苑内案内板 広域観光案内板 整備 整備 整備 整備 整備 整備 ベンチ 東屋改修又は新設 トイレ改修 散策路(徒歩) 散策路(徒歩+車椅子) -- 45 of 50 -- 64 -- 46 of 50 -- 園地の有効活用 40m 20 0 N トイレ 社 ポンプ舎 車廻し 皇 太 子 殿 下 御 成 婚 記 念 梅 園 根上がりの松 ご来園門 駐車場動線の案内表示の明確化 クロマツの除間伐・補植・実生木の育成 クロマツ以外の樹木の管理方法の検討 (芝生広場等の整備) 受水槽 P 受付 トイレ 沼津広場 御文庫 喫茶 主馬・新主場 そば処 管理事務所 井戸 作業小屋 井戸 苑路 井戸 油庫・便所 作業小屋 P P 西 附 属 邸 倉庫 作業小屋 車庫 65 御用邸時代の建造物 の修復 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 A3=S1:1000 A1=S1:500 D . エ ン ト ラ ン ス エ リ ア 計 画 図 御用邸として整備された建造物・構造物 旧本邸の建造物位置 印内の事業(短期) 印内の事業(中期) 印内の事業(長期) 名勝指定範囲 都市公園として整備された建造物 制札(注意書き) 導標 施設説明案内板 苑内案内板 広域観光案内板 整備 整備 整備 整備 整備 整備 ベンチ 東屋改修又は新設 トイレ改修 散策路(徒歩) 散策路(徒歩+車椅子) -- 47 of 50 -- 66 -- 48 of 50 -- 堤 体 の か さ 上 げ ( 沼 津 土 木 事 務 所 事 業 ) 堤 体 の か さ 上 げ ( 沼 津 土 木 事 務 所 事 業 ) A A B B 40m 20 0 N 作業小屋 西 附 属 邸 江ノ浦寅石積塀 東附属邸連絡口 防空壕跡 トイレ 駿河待庵 茶室 翠松邸 東屋 67 御用邸時代の建造物 の修復 A3=S1:1000 令和元年度 名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画 A1=S1:500 E . 海 浜 エ リ ア 計 画 図 御用邸として整備された建造物・構造物 旧本邸の建造物位置 印内の事業(短期) 印内の事業(中期) 印内の事業(長期) 名勝指定範囲 都市公園として整備された建造物 制札(注意書き) 導標 施設説明案内板 苑内案内板 広域観光案内板 整備 整備 整備 整備 整備 整備 ベンチ 東屋改修又は新設 トイレ改修 散策路(徒歩) 散策路(徒歩+車椅子) -- 49 of 50 -- 68 -- 50 of 50 --
第4章 事業計画PDF 0.7MB
旧沼津御用邸苑地を5年・10年・15年の3つの期間に分けて整備する計画です。松林の保全、建造物の修復、見学ルートの整備など様々な工事を段階的に進める一方で、工事中も来訪者が安全に園地を利用できるよう、仮囲いや迂回路の工夫、情報提供やイベント開催などを行います。
背景長期間にわたる多くの整備工事の実施が必要となるため、工事期間中も来訪者の安全と園地の活用を両立させる必要があります。
- 整備を短期5年、中期10年、長期15年に分けて段階的に実施
- 松林保全、景観保全、建造物修復、動線整備など複数の工事
- 工事中:アースカラー仮囲い、透明化、迂回路で安全確保
- 工事情報:HP、映像ブース、工事説明標識で情報提供
- 工事見学イベント(約3日間)や植栽参加イベントを開催
- 毎木調査、耐震診断、発掘調査など段階的に実施
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69 第4章 事業計画 第1節 事業スケジュール 整備内容を整理し、事業スケジュールを設定する。 整備内容 短期 (概ね 5 年間) 中期 (概ね 5 年 ~10 年) 長期 (概ね 10 年 ~15 年) エリア 旧 本 邸 東 附 属 邸 西 附 属 邸 エ ン ト ラ ン ス 海 浜 分野別整備計画 松林保全 ①クロマツの除伐採・補 植・実生木の育成 ● ● ● ● ②クロマツ以外の樹木の管 理方法 ● ● ● ● 眺望景観保全 ①通景眺望の確保 ● ● ● ②海岸眺望の確保 ● ● ● ③海岸部進入防止柵の整備 ● ● ● 景観形成整備 ①景観形成方針 ● ● ● ● 御用邸時代の建造物・構造物の保存 ①耐震診断・耐震化工事 ● ● ②修復等 ● ● ● ● ③バリアフリー工事 ● ● ④防火対策工事 ● ● ⑤快適性向上工事 ● ● ⑥防空壕・本邸御湯殿跡等 の修復 ● 展望台の設置 展望地の設定 更新時等における景観への配慮及び 解体撤去 金属製縦格子柵の整備 防空壕、本邸御湯殿跡、江ノ浦寅石 積塀の修復 西附属邸等へのエアコン・照明設備 設置の検討 西附属邸、東附属邸の耐震診断・耐震 化工事 御用邸時代の建築物・建造物の修復 西附属邸、東附属邸を中心とした バリアフリー工事 西附属邸等へのスプリンクラー設置の検討 -- 1 of 6 -- 70 整備内容 短期 (概ね 5 年間) 中期 (概ね 5 年 ~10 年) 長期 (概ね 10 年 ~15 年) エリア 旧 本 邸 東 附 属 邸 西 附 属 邸 エ ン ト ラ ン ス 海 浜 動線整備 ①回遊(見学)ルートの設 定 ● ● ● ● ● ②苑路整備 ● 案内表示整備 ● ● ● ● 休憩施設整備 ①東屋改修又は新設 ● ● ● ②ベンチ整備 ● ● ● トイレ改修 ● ● ● 公開・活用 ①西附属邸 ● ②東附属邸 ● ③旧本邸 ● ④防空壕 ● 管理・運営 ①基本的な管理・運営手法 ─ ─ ─ ─ ─ ②地域住民等と連携した管 理・運営体制の確立 ─ ─ ─ ─ ─ ③民間活力を活用した事業 手法の導入 ─ ─ ─ ─ ─ ④地域住民等のイベント等 の場としての活用 ─ ─ ─ ─ ─ 植栽等による平面表示 防空壕修復後、内部公開検討 回遊ルートに沿った東屋の設置 老朽化した東屋の更新 回遊ルートに沿ったベンチの設置 老朽化したベンチの更新 展示内容の検討 ICT を活用した展示方法の検討 貸出方法の検討(子どもたちの学習 の場、冠婚葬祭行事等への貸出) 本邸の一部復元等の際の PFI 等の事業手 法の検討 指定管理者による管理の継続 地元住民等による管理・ 運営組織の設立等 案内板・導標・制札の設置 老朽化したトイレの建替え 多目的トイレの設置 微高地部分の苑路の舗装 旧沼津御用邸苑地の弾力的な活用 法要の検討 -- 2 of 6 -- 71 整備内容 短期 (概ね 5 年間) 中期 (概ね 5 年 ~10 年) 長期 (概ね 10 年 ~15 年) エリア 旧 本 邸 東 附 属 邸 西 附 属 邸 エ ン ト ラ ン ス 海 浜 管理・運営 ⑤広域と連携したイベント の検討 ─ ─ ─ ─ ─ ⑥広域と連携したPRの強 化 ─ ─ ─ ─ ─ ⑦牛臥海岸エリアにおける 活用 ─ ─ ─ ─ ─ エリア別個別整備内容 本邸エリア ①松林・芝生地の保全・活 用 ● ②商業施設の利活用 ● ③歴史民俗資料館の利活用 ● 東附属邸エリア ①庭園の維持管理と活用 ● ②茶室の修復 ● ③見学ルートの明確化 ● 西附属邸エリア ①旧沼津御用邸苑地内でも 優れた眺望景観の保全 ● ②西附属邸の展示方法のリ ニューアル ● ③管理部門との利用区分の 明確化 ● 市内のイベント、富士・箱根・伊豆 「皇室ゆかりの庭園」ツーリズム等と 連携したイベント開催等 庭園の由来や見どころ等を紹介する案 内表示の設置等 劣化部分の修復 日本文化の稽古場、子どもたちの校外 学習の場等としての活用の検討 有料エリア、無料エリアの再設定とあ わせた見学ルートの設定 東附属邸に関する案内表示の充実 御用邸時代を意識したメニューの考案 耐震診断・耐震化工事の実施 芝生と松林の景観保全 本邸平面表示への芝生の活用 松林を活用した連続した景観の創出 旧沼津御用邸苑地外への移転、 既存施設の解体・撤去の検討 最先端技術の導入検討 案内ガイドの充実・ガイド養成講座の 開講等 バックヤードと一般者の利用エリアの 明確化 広報紙や HP、観光協会等の関係団体等 との連携による情報尾発信の強化 -- 3 of 6 -- 72 整備内容 短期 (概ね 5 年間) 中期 (概ね 5 年 ~10 年) 長期 (概ね 10 年 ~15 年) エリア 旧 本 邸 東 附 属 邸 西 附 属 邸 エ ン ト ラ ン ス 海 浜 エントランスエリア ①駐車場動線の案内表示の 明確化 ● ②バリアフリー化への対応 ● ③園地の有効活用 ● 海浜エリア ①眺望景観の維持 ● トレイのバリアフリー化 段差解消、点字ブロックの設置 地域住民が気軽に利用できる芝生広場 等の整備 車庫、油庫、便所の修復等の検討 -- 4 of 6 -- 73 第2節 事業期間中の管理手法 先に設定した通り、本事業は短期から長期まで多くの時間を費やして実施されるもの である。
このため、事業実施期間中も旧沼津御用邸苑地の公開・活用を行うこととす る。事業実施期間中の公開・活用の方法等を以下に整理する。 第1項 安全性の確保 ◆耐震化工事等、大規模な工事を実施する際には、仮囲いを設け、一般の利用者の安 全を確保する。仮囲いは、クロマツ林等の周辺景観にとけこむような色(アースカ ラー)を用いるようにする。
また、仮囲いに絵や写真の表示や、一部透明の仮囲い にするなどして、せっかく来訪したのに見ることができなかった観光客等に、極力 内部の様子が分かるようにする。 ◆苑路整備や案内表示整備等の際には、一般の利用者の進入禁止のエリアを設け、迂 回路等を設置し、あわせて注意喚起の案内表示を臨時に設置する。
第2項 工事方法等の検討 ◆耐震化工事等、長期的な工事が必要となる 工事については、部分的な公開が可能とな る工事方法等について検討を行い、閉鎖期 間の短縮を図る。また、建造物等の工事に ついては外部工事を行う際には安全性を考 慮しながら、内部の公開を実施する。 [平和祈念像(長崎県)修復工事中の仮囲い] [イタリア大使館別荘記念公園(栃木県) 内部公開の例] [内部を見ることのできる仮囲い] -- 5 of 6 -- 74 第3項 閉鎖施設に係る情報提供等 ◆工事等により閉鎖される施設については、 工事期間(閉鎖期間)等の情報を、HP 等 を活用し発信する。
◆工事前や工事中の閉鎖されている建造物 の状況等について、旧沼津御用邸苑地内 に映像ブースや工事状況を説明する標識 等を設置するなど見学ができない来訪者 への代替え方法を実施する。 第4項 工事等を活用したイベントの開催 ◆工事期間中において、一定期間(3 日程度)工事を中断し、工事内容が 見学できるような、見学イベント等 を検討する。
見学イベントにおいて は、工事関係者等の工事内容につい ての解説をあわせて実施する。 ◆松林の補植等において、一般の方々 や地元住民等が参加できるようなイ ベントを開催する。 第3節 今後の調査計画 今後、旧沼津御用邸苑地を整備していくにあたって、必要と考えられる主な調査項目 を抽出し以下に整理する。
なお、調査項目については、今後指定管理者等とも調整の上決定していく。 [今後の調査(案)] № 調査対象施設等 調査項目 調査時期 備 考 1 旧沼津御用邸苑地全域 ・毎木調査 中期 一定期間ごとに調査 2 御用邸時代の建造物 (西・東附属邸を除く) ・耐震診断調査 中・長期 施設を利用しているも のを優先的に実施 3 旧本邸跡の発掘調査 ・文化財発掘調査 長期 将来的に旧本邸の一部 を復元する場合に実施 4 微高地部分の苑路整備 ・測量調査 ・地 質調査(CBR) 長期 ※短期:概ね5年間を示す ※中期:概ね5年から 10 年間を示す。
※長期:概ね 10 年から 15 年間を示す。 [グラバー園(長崎県)見学通路の例] [工事情報を表示している仮囲い] -- 6 of 6 --
第1章 計画策定にあたってPDF 0.4MB
旧沼津御用邸苑地の松林の現状を詳しく調べ、景観を守りながら適切に管理するための計画を立てるものです。既存の基本方針をもとに、新たに詳細調査を行い、地区ごとの松林の違いに応じた管理方針を設定することが目的です。
背景保存活用計画で松林保全の必要性が示されたものの、これまでの調査が部分的に留まっており、松林の全体像を把握して適切な保全方針を立てる必要があるため。
- 旧沼津御用邸苑地の松林と景観は名勝として認定されている
- 2019年に「保存活用計画」が策定されたが調査が部分的
- 松林の樹高・密度・分布を把握する調査を新たに実施
- 地区ごとに異なる松林の状態に応じた管理方針を設定
- 防潮堤工事によるクロマツへの影響に対応する必要がある
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75 第2編 クロマツ林管理計画 -- 1 of 5 -- 76 -- 2 of 5 -- 77 第1章 計画策定にあたって 第1節 計画策定の経緯と目的 旧沼津御用邸苑地は、御用邸造営以前より維持されてきた松林と苑地外に展開する眺 望景観が評価された自然的な名勝である。 平成31年3月に策定された「名勝旧沼津御用邸苑地保存活用計画」(以下、「保存活用 計画」という)では、その本質的価値である松林の概要把握を目的として、各種調査が 行われている。
調査は事前調査、コドラート調査を実施したものであるが、部分的なクロマツに対し てのものに留まっている状況にある。保存活用計画 第9章では今後の取組に向けての事 業の方向性として、松林を保全するための取組として、以下の2点が掲げられている。 ・毎木調査を実施する。 ・植栽管理計画を策定する。
上記に示される事項を具体化するためのアクションプランとして新たに毎木調査を実 施し、クロマツの分布位置の把握、樹高や立木密度等の現状把握を行い、名勝地として ふさわしい景観を保全するためのクロマツ林管理計画を策定することを目的とする。 なお、保存活用計画に示される、「植栽管理計画」は、ここではクロマツに焦点を当て ることとし、「クロマツ林管理計画」として取り扱うこととする。
-- 3 of 5 -- 78 第2節 計画フロー 本計画は、以下に示すフローに沿って策定する。 [計画フロー図] 計画・調査準備 第1章 計画策定にあたって 第 1 節 計画策定の経緯と目的 第 2 節 計画フロー 第 3 節 課題 計画書取りまとめ 第3章 クロマツ立木密度管理計画 第 1 節 クロマツ林管理重点ゾーンの設定 第 2 節 相対幹距比に基づくクロマツ林の保全 第2章 樹木分布調査の実施 第 1 節 樹木分布調査実施方針 第 2 節 樹木分布調査実施結果(毎木調査) 第 3 節 樹木分布調査実施結果(ドローン撮影) 第4章 クロマツ林管理計画 第 1 節 クロマツ林の維持管理状況 第 2 節 クロマツ林の維持管理における課題 第 3 節 クロマツ林の維持管理方針 第 4 節 地域住民との連携方針 第 5 節 クロマツ林の年間維持管理スケジュール 第 6 節 定期的なモニタリング調査 第5章 事業計画 第1回 策定 委員会 第2回 策定 委員会 第3回 策定 委員会 ※策定委員会は「名勝旧沼津御用邸苑地整備基本計画策定委員会」を示す。
-- 4 of 5 -- 79 第3節 課題 保存活用計画では、クロマツ林に関する課題について「保存」、「眺望景観」、「牛臥海 岸高潮対策事業の影響」の観点で整理されており、以下にそれぞれの課題を整理する。 [保存における課題] 地区によって、クロマツの林床や樹冠の状態、密度など生育状況が異なっている。
また、クロマツは常に成長しており、今回設置したコドラートの状況も日々変化して いくことが予想される。多様な状況を呈している松林に応じた適切な維持管理が求め られる。 [眺望景観における課題] 苑路から望む多くの眺望景観は松林越しのものとなっているため、より良質な眺望 景観を確保するためには松林の維持管理を行う必要がある。
[牛臥海岸高潮対策事業の影響] 防潮堤の高さが増すことにより設置幅が拡大することから、防潮堤法面が苑地内に 広がるため、海浜エリアの一部のクロマツが工事の計画範囲に含まれてしまう。 保存活用計画における過年度に実施されたコドラート調査では、部分的な範囲におい てのクロマツ林の状況把握に留まっているため、事業の方向性としてクロマツ林を保全 するための取組に毎木調査が挙げられている。
本計画策定に当たっては、クロマツ林の 現状を把握し、保存活用計画に示される、「相対幹距比」の考え方に基づいた適正な立木 密度を目指し、良好な眺望景観を保つために各エリアの実態に応じて除間伐または、補 植を行うための方針を設定する。合わせて、クロマツ林及びその他の部分について今後 の維持管理方針の設定を行う。
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第2章 樹木分布調査PDF 1.9MB
苑地内の樹木がどこにどのくらい生えているかを調べるための調査です。レーザー技術とドローンを使って、4000本以上の樹木の位置、大きさ、高さなどを集め、データベースを作りました。
背景クロマツ林を効果的かつ継続的に維持管理するため。
- レーザスキャナーとドローンで樹木の位置、大きさ、高さを調査
- 2019年12月と2020年1月に実施、4,640本の樹木を把握
- 4つのエリアに分類し、樹木密度は平均320本/ha
- 平均的な樹の太さ26.4cm、高さ26.4m
- 樹種の特定や樹木の健全度調査は今後の課題
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80 第2章 樹木分布調査 苑内における樹木の分布状況を把握するために、以下に示す調査を実施し(本章)、以 降のクロマツ林の維持管理を効果的かつ継続的に行っていくための調査エリアを設定(第 3 章)する。 第1節 樹木分布調査実施方針 ・クロマツ林の現状を把握するため、毎木調査を実施。
・毎木調査は、歩行計測型地上レーザスキャナーを用いた 3 次元スキャンによる計測およ び計測結果の解析を実施。 ・樹木の分布状況を把握する補足資料として、ドローンによる上空写真の撮影を実施。 ※名勝におけるクロマツ林管理は個々のマツに対しての計画ではなく、全体、群としての 管理を目指すことを前提とする。
※本調査においては、樹種の特定及び樹木毎の健全度の状況調査までは行っていないた め、今後調査の補完を行っていく必要がある。 ※レーザ計測における計測誤差、特に広葉樹、クロマツのような通直性のない樹木場合は 計測誤差があることを前提として以降の検討を行う。 -- 1 of 10 -- 81 [樹木分布調査の概要] 調査手法 毎木調査 ドローン撮影 調査内容 歩行計測型地上レーザスキャナー を用いた 3 次元スキャン及びスキ ャンデータの解析 航空 50m より苑地全体を網羅する 範囲を撮影 調査項目・ 獲得情報 ・立木位置 ・胸高直径 ・樹高 ・材積 ・矢高 ・撮影画像をオルソ画像に整理 調査日 令和元年 12 月 4 日~6 日 令和2年 1 月14 日~16 日 調査機材 3D Walker 調査状況 -- 2 of 10 -- 82 第2節 樹木分布調査実施結果(毎木調査) レーザスキャナーにより取得した3D 点群データを、専用ソフトを用い、解析を行い、 現況のクロマツ等の樹木の位置、本数、樹高、胸高直径等を把握し、適正な維持管理を行 っていくための樹木データベースを作成。
[3D 点群データ] -- 3 of 10 -- 83 [樹木データベース(抜粋)] TreeNo X Y 胸⾼直径 樹⾼ 材積 ⽮⾼ 1 306198.6158 3882788.987 4.4 10.40 0.02 0.01 2 306200.3487 3882785.231 18.8 10.55 0.42 0.04 3 306201.8729 3882786.956 9.4 12.20 0.02 0.00 4 306203.2439 3882779.979 18.1 10.35 0.09 0.05 5 306202.7382 3882790.754 19.3 10.35 0.29 0.02 6 306204.0628 3882777.799 19.0 9.30 0.03 0.00 7 306203.9375 3882786.763 10.8 12.30 0.06 0.01 8 306204.5479 3882775.016 27.3 11.15 0.32 0.04 9 306206.1235 3882775.629 14.2 12.95 0.03 0.00 10 306206.49 3882787.96 27.9 13.15 0.48 0.02 11 306206.4732 3882795.257 30.4 12.25 0.45 0.02 12 306207.0134 3882777.395 27.8 13.30 0.35 0.02 13 306207.5951 3882786.379 20.3 14.15 0.24 0.08 14 306208.6932 3882781.059 36.2 14.65 0.77 0.19 15 306208.963 3882798.667 25.0 16.80 0.51 0.05 16 306210.0524 3882769.146 16.4 12.00 0.05 0.00 17 306209.5469 3882797.646 26.0 16.80 0.37 0.07 18 306209.2387 3882806.698 34.6 16.20 0.84 0.00 19 306210.4938 3882775.605 13.2 12.05 0.06 0.04 20 306209.962 3882791.896 7.6 13.75 0.04 0.00 21 306210.4361 3882787.425 47.4 15.20 1.54 0.04 22 306210.6188 3882803.416 47.8 14.85 0.79 0.07 23 306210.3788 3882785.675 16.1 15.40 0.19 0.07 24 306211.6022 3882773.429 17.0 10.90 0.11 0.05 25 306211.8268 3882766.084 28.8 12.30 0.27 0.00 26 306211.4714 3882804.685 5.2 16.50 0.04 0.00 27 306212.1386 3882782.361 33.0 13.85 0.57 0.03 28 306212.6828 3882775.708 27.4 13.35 0.45 0.01 29 306212.0564 3882800.487 31.5 16.00 0.82 0.00 30 306212.6213 3882791.404 10.2 11.80 0.04 0.06 31 306213.2052 3882787.675 25.0 15.05 0.40 0.05 32 306213.4154 3882790.165 11.4 16.55 0.08 0.05 33 306213.1271 3882806.649 9.0 16.70 0.05 0.02 34 306214.2223 3882777.444 44.7 16.75 1.16 0.00 35 306213.8438 3882799.733 10.6 13.20 0.05 0.01 -- 4 of 10 -- 84 [エリア区分 キープラン] [集計結果(エリア別樹木密度)] エントランスエリア 937 37,550 250 西附属邸 1009 29,391 343 旧本邸 1764 56,121 314 東附属邸 930 22,088 421 合計 4640 145,150 320 樹木密度 (本/ha) エリア面積 (㎡ ) 樹木本数 (本) エリア区分 エントランスエリア 西附属邸 旧本邸 東附属邸 -- 5 of 10 -- 85 [集計結果(エリア別胸高直径)] 景観木となる可能性のある、胸高直径が 60 ㎝を超える樹木の分布図は巻末資料に示す。
エリア区分 ≦5 5-10 10-15 15-20 20-25 25-30 30-35 35-40 40-45 45-50 50-55 55-60 >60 合計 エントランス エリア 6 74 120 153 121 117 88 70 54 40 24 26 44 937 27.8 西附属邸 4 87 168 204 140 106 83 56 44 32 28 14 43 1009 25.6 旧本邸 11 224 285 227 204 146 131 115 108 82 74 45 112 1764 27.7 東附属邸 6 110 176 175 115 128 53 51 43 19 18 11 25 930 23.5 合計 27 495 749 759 580 497 355 292 249 173 144 96 224 4640 26.4 平均 胸高直径 (cm) 胸高直径階級(cm) -- 6 of 10 -- 86 [集計結果(エリア別樹高)] 景観木となる可能性のある、樹高が 20m を超える樹木の分布図は巻末資料に示す。
エリア区分 ≦5 5-10 10-15 15-20 20-25 >25 合計 エントランス エリア 9 110 404 376 38 0 937 27.8 西附属邸 31 201 394 359 24 0 1009 25.6 旧本邸 50 440 466 614 191 3 1764 27.7 東附属邸 20 125 524 252 8 1 930 23.5 合計 110 876 1788 1601 261 4 4640 26.4 平均 樹高 (m) 樹⾼階級(m) -- 7 of 10 -- 87 [胸高直径階別 樹木分布図(全体)] エリア別分布図は巻末資料に示す。
-- 8 of 10 -- 88 [樹高別 樹木分布図(全体)] エリア別分布図は巻末資料に示す。 -- 9 of 10 -- 89 第3節 樹木分布調査実施結果(ドローン撮影) [ドローン撮影によるオルソ画像] -- 10 of 10 --
第3章 クロマツ林管理計画PDF 1.4MB
この章は、旧沼津御用邸苑地にあるクロマツ林(黒い松の林)を守り続けるための具体的な管理方法を説明しています。松の木の本数調整、地面の手入れ、病虫害対策など、計画的に実行していく内容を示しています。
背景旧沼津御用邸苑地の本質的価値であるクロマツ林を、計画的な管理によって次世代へ継承するため。
- クロマツ林管理重点ゾーンを5つに詳細区分して管理
- 相対幹距比0.3を基準に補植1,078本、間引き236本
- 林床の松葉堆積を定期的にかき取り富栄養化を防止
- 樹幹注入(年1回)と薬剤散布(年2回)で病虫害対策
- 枯損木・危険木を巡視・診断で発見し除去
- 市民活動・ボランティアで松の補植と育成に参加
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90 第3章 クロマツ林管理計画 第1節 クロマツ林立木密度管理方針 第1項 クロマツ林管理重点ゾーンの設定 今後クロマツ林の管理にあたっては、現地における計画的な実施が重要となる。そ のためクロマツ林管理にあたるエリアの設定については、エントランスエリア、西附 属邸、旧本邸、東附属邸の大きなエリアの中で、特にクロマツ林の重点管理を行うべ きゾーンを設定する。
クロマツ林管理重点ゾーンの設定にあたる考え方を以下に示す。 ・西附属邸周辺及び東附属邸周辺は沼津垣などで明確に区分けがされており、また庭園的 な管理を行っていくという観点からクロマツ林管理重点ゾーンからは除外する。 ・エントランスエリア(駐車場エリア)及びバックヤードとして利用されている西附属邸 エリアの北東部はクロマツ林管理重点ゾーンからは除外する。
・旧本邸及び東附属邸エリアの北東部は雑木中心の樹木となっていることから、クロマツ 林管理重点ゾーンからは除外する。 ・西附属邸海岸部は、草花畑や資材置き場、旧本邸北西部は厩舎、御文庫など舗装されて いる広場となっており、また海岸部は芝生広場となっていることからクロマツ林管理重 点ゾーンからは除外する。
・上記部を除く部分をクロマツ林管理重点ゾーンとして設定する。 ・区分けは現況の苑路を基準に線引きを行う。 [オルソ画像 苑内図 重合せ図] 名勝指定範囲 凡例 駐車場等 エントランスエリア バックヤード的利用 草花畑など 旧本邸芝生等エリア 雑木中心の樹木配置 東附属邸 西附属邸 -- 1 of 15 -- 91 [クロマツ林管理重点ゾーン区分図] -- 2 of 15 -- 92 上記にて設定した、重点ゾーンにおける現況の樹木の集計結果を以下に示す。
第2項 相対幹距比に基づくクロマツ林の保全 ①相対幹距比の考え方の整理 保存活用計画では、相対幹距比の考え方に基づいて立木密度を管理する方針が示さ れている。相対幹距比とは、樹高に対する幹距の比率(幹距÷樹高)であり、マツ林 の場合相対幹距比は 0.3 程度とされている。 相対幹距比 模式図 L/H=0.3 ②相対幹距比に基づく立木密度管理方針 林冠構成木(亜高木や低木は含まない)の平均樹高に 0.3 を掛けると必要な隣接木 との距離が求められる。
さらに、幹距を自乗することにより、1 本あたりに必要な面 積と、1ha あたりの適正な本数(密度)が求められ、この目標密度を保つために、除 間伐または補植を行っていくこととなる。 先に設定したクロマツ林管理重点ゾーンでは、樹高、密度ともにばらつきがみられ る。そのため、5ゾーンをさらに詳細なエリアに区切り、平均樹高を求めたうえ相対 幹距比の考え方に基づき、エリアごとの適正な密度管理の設定を行う。
エリア名 エリア面積 (㎡) 樹木本数 (本) 樹木密度 (本/ha) 平均胸高直径 (m) 平均樹高 (m) 樹高の 標準偏差 (m) 変動係数 標準偏差/平均 クロマツ林管理重点ゾーン1 11,576 641 554 24.6 13.6 4.07 3.33 クロマツ林管理重点ゾーン2 18,449 629 341 30.0 16.8 4.22 3.97 クロマツ林管理重点ゾーン3 12,263 381 311 29.4 13.8 4.22 3.27 クロマツ林管理重点ゾーン4 6,065 181 298 29.0 14.0 4.22 3.33 クロマツ林管理重点ゾーン5 4,635 332 716 19.3 12.5 4.16 3.00 -- 3 of 15 -- 93 [クロマツ林管理重点ゾーン 詳細区分図] -- 4 of 15 -- 94 クロマツ林管理重点ゾーンを詳細に区分したエリアごとの樹木本数、樹木密度、平 均樹高及び平均樹高に応じた相対幹距比に基づく目標密度を求め、各エリアに対する 過不足本数の集計結果を以下に示す。
※平均樹⾼の設定について 樹⾼のばらつきに対し、詳細エリアごとに標準偏差を求め、林冠構成⽊としてエリ ア全体の平均樹⾼±標準偏差の範囲にある樹⽊の平均樹⾼を採⽤する。 範囲内にある樹⽊の 平均樹⾼ -- 5 of 15 -- 95 [クロマツ林管理重点ゾーン 詳細エリアごとの目標密度] エリア名 クロマツ林 管理重点 ゾーン名 ゾーン 面積 (㎡) 詳細 エリア 番号 詳細 エリア 面積 (㎡) 樹木本数 (本) 樹木密度 (本/ha) 詳細エリア 平均樹高 (m) 樹高の 標準偏差 (m) 平均樹高 -標準偏差 平均樹高 +標準偏差 該当樹木 本数 (本) 平均樹高 (m) 相対幹距比 (0.3) に基づく目 標幹距 (m) クロマツ1本 あたりの必要 面積 (㎡) 相対幹距比 に基づく目 標密度 (本/ha) 現況密度と 相対幹距比 との対比 (本/ha) 詳細エリア に対する過 不足本数 (本) 1 2,089 100 479 13.92 4.29 9.63 18.22 65 14.27 4.3 18.3 545 67 14 2 2,617 171 653 15.15 4.27 10.88 19.41 103 15.52 4.7 21.7 461 -192 -50 3 2,136 132 618 14.65 4.25 10.41 18.90 48 14.76 4.4 19.6 510 -108 -23 4 1,645 79 480 14.84 4.25 10.59 19.09 49 15.02 4.5 20.3 493 13 2 5 691 18 261 12.27 4.40 7.87 16.67 15 12.62 3.8 14.3 698 437 30 6 1,497 90 601 10.29 4.33 5.95 14.62 57 9.52 2.9 8.2 1226 625 94 7 505 40 792 9.38 4.26 5.11 13.64 31 9.25 2.8 7.7 1299 507 26 8 396 11 278 8.17 4.52 3.65 12.69 9 7.06 2.1 4.5 2232 1954 77 9 1,126 49 435 14.00 4.24 9.75 18.24 32 15.00 4.5 20.3 494 58 7 10 1,975 46 233 13.25 4.23 9.03 17.48 13 13.92 4.2 17.4 574 341 67 11 2,211 104 470 19.61 4.23 15.37 23.84 75 20.10 6.0 36.4 275 -195 -43 12 2,510 39 155 13.32 4.24 9.08 17.55 20 15.19 4.6 20.8 481 326 82 13 1,819 103 566 17.03 4.25 12.79 21.28 68 18.14 5.4 29.6 338 -228 -42 14 2,150 76 353 17.93 4.31 13.62 22.24 55 18.38 5.5 30.4 329 -25 -5 15 409 15 367 15.10 4.25 10.86 19.35 4 14.05 4.2 17.8 563 196 8 16 4,018 150 373 17.18 4.23 12.95 21.41 89 17.56 5.3 27.8 360 -13 -5 17 2,232 47 211 16.62 4.31 12.31 20.92 36 16.94 5.1 25.8 387 177 39 18 2,728 72 264 17.65 4.27 13.38 21.92 55 18.12 5.4 29.6 338 74 20 19 2,641 106 401 15.59 4.23 11.36 19.82 52 17.50 5.3 27.6 363 -39 -10 20 1,797 72 401 12.26 4.26 8.00 16.52 33 13.31 4.0 15.9 627 226 41 21 5,097 131 257 11.09 4.24 6.85 15.34 67 11.17 3.4 11.2 891 634 323 22 614 23 375 14.43 4.40 10.03 18.83 17 13.95 4.2 17.5 571 196 12 23 1,453 35 241 15.62 4.30 11.33 19.92 20 15.40 4.6 21.4 468 227 33 24 1,228 24 195 12.49 4.44 8.04 16.93 22 12.43 3.7 13.9 719 524 64 25 650 19 292 14.40 4.27 10.13 18.67 16 14.70 4.4 19.5 514 221 14 26 1,141 44 386 14.33 4.32 10.01 18.65 36 14.65 4.4 19.3 518 132 15 27 980 36 367 12.76 4.42 8.34 17.17 33 12.98 3.9 15.2 659 292 29 28 1,229 65 529 10.97 4.35 6.62 15.32 50 10.66 3.2 10.2 979 449 55 29 592 26 439 11.29 4.33 6.96 15.62 22 11.30 3.4 11.5 871 431 26 30 2,815 241 856 13.03 4.29 8.75 17.32 144 13.04 3.9 15.3 654 -202 -57 1,078 -236 【捕植本数 合計】 【間引本数 合計】 西附属邸 旧本邸 東附属邸 12,263 ゾーン3 18,449 ゾーン2 ゾーン5 ゾーン4 4,635 6,065 11,576 ゾーン1 -- 6 of 15 -- 96 [クロマツ林管理重点ゾーン別 集計] 集計結果より、全体的にみると現況の樹木密度は平均樹高による相対幹距比に基づ く目標密度より少ないエリアが多数を占めており、クロマツの補植が必要となる。
一方でクロマツ林管理重点ゾーン1の詳細エリア2、3ほか、計8エリアについて はクロマツの間引きが必要となる結果となった。 クロマツ林管理重点ゾーン全体においては、1,078 本の補植、236 本の除間伐が 必要となる。 ただし、詳細に区分したエリア内でも密度の濃い部分、薄い部分はあり、現場での 管理にあたっては実態に応じた管理を行うことを基本とする。
③立木密度管理実施計画 密度管理としての除間伐や補植を行う際には、ルールを設定し適切な立木密度の適 正化を図ることが求められることから、以下に除間伐、補植の実施計画を示す。 [除間伐、補植の考え方] 管理種別 管理項目 対応 除間伐 ・健全度を把握し、腐朽菌等の被 害等が見られるクロマツを優先 とする。
・周囲に対して、樹勢が弱いクロ マツを優先とする。 ・周囲に対して、負けている(周 囲の樹幹に覆われている)クロ マツを優先とする。 ・除間伐の実施については、樹木医や 有識者の監修のもと、景観的な観点 についても考慮し実施することが望 ましい。 ・除間伐したクロマツは苑内で処理が できない場合、特に病虫害の被害の ある伐倒木は、木材チップ等に加工 することで被害の拡散を防止し、有 効利用されることが望ましい。
補植 ・補植をするクロマツは、「遺伝 的後継樹」を利用することを基 本的な考え方とする。 ・補植が必要なエリアでは、実生 木を優先に保護、育成する。 ・補植のための苗畑を設け、遺伝 的後継樹を育成する。 ・市民活動、ボランティア活動による 苑内の松ぼっくりの採取、種植え、 育成を行う。
・移植についても、同様に市民活動、 ボランティア活動を積極的に活用す る。 ・苗畑は現在の西附属邸海岸部にある 草花畑を利用する。 補植本数 (本) 間引本数 (本) 補植本数 (本) 間引本数 (本) 西附属邸 1 243 -73 243 -73 2 203 -95 3 384 -10 4 168 0 5 81 -57 計 1,078 -236 ゾーン別 集計 エリア別 集計 クロマツ林 管理重点 ゾーン名 エリア名 -57 248 -105 587 東附属邸 旧本邸 -- 7 of 15 -- 97 第2節 クロマツ林管理計画 第1項 クロマツ林の維持管理における課題 ①クロマツ林の育成環境の維持 現況のクロマツ林の管理においてはいくつか課題が見られる。
クロマツの林床は貧栄養を保つ必要があり、その育成環境を維持することが重要と なる。 林床に堆積した松葉。そのままにしておく と、土壌の富栄養化が進行する。 (東附属邸エリア) 伐採木の保管状況 (旧本邸エリア) クロマツ林内の灌木類 (旧本邸エリア) -- 8 of 15 -- 98 エリアによって、クロマツの林床や樹冠の状態、密度など生育状況が異なってい る。
林床が草地であると小径木が多く、芝生であると小径木が少なく大径木のみが生 育している。芝生は日常の維持管理において芝刈を行っているため、稚樹が少ない。 多様な状況を呈しているクロマツ林に応じた適切な維持管理を行っていくことが求め られる。 ②牛臥海岸高潮対策事業の影響 旧沼津御用邸苑地が隣接する牛臥海岸約 1.3km 区間(牛臥山公園から学習院遊泳場 まで)では、高潮対策事業が実施されている。
旧沼津御用邸苑地に隣接する区間は、 防潮堤が最大約 1.9m の嵩上げされる計画であり、松林への影響として、防潮堤の高 さが増すことにより設置幅が拡大することから、防潮堤法面が苑地内に広がるため、 牛臥海岸高潮対策事業ゾーンの一部のマツが工事の計画範囲に含まれてしまうという 課題がある。
第2項 クロマツ林の維持管理方針 上記までに整理した事項を踏まえ、クロマツ林の維持管理方針を以下に示す。 ・クロマツ林をより良好な状態で継承するためには、地区の特性を踏まえ、適切な維持 管理を行う必要があり、第 3 章に示した立木密度管理実施計画に基づき、クロマツ林 の立木密度を管理する。
・クロマツの生育環境を整えるために、林床は富栄養化を防ぐために定期的に落葉かき や灌木類の除伐を行い、芝生地については芝刈を行う。また、大枝の落下や倒伏など を防ぐために定期的に巡視、危険度診断を行い、必要な対策を施す。 ①各エリアの管理方針 エリア名 管理目標・主な対応方針 共通 クロマツ ・枯損木・危険木の除去を行う。
・クロマツ林の生育に適した立木密度の管理を行う。 ・病虫害対策を行う。 ・林床の適正管理を行う。 ・林床にふさわしくないアジサイなどの灌木類は撤去する。 クロマツ以外 ・枯損木・危険木の除去を行う。 ・花壇:原則として現状を維持する。旧沼津御用邸苑地の活用に関 わるものを除き、新たな花壇等は設置しない。
クロマツ林管理 重点ゾーン 【管理目標】 ・「旧沼津御用邸苑地の本質的価値である松林」を「次世代へ継承す る」ため、クロマツの生育環境を整えるための維持管理を行う。 ・クロマツの生育環境を整えるための維持管理は、他のゾーンより も積極的かつ重点的に実施する。 ・実生木は、補植が必要なエリアでは優先的に保護、育成を図る。
【主な対応方針】 ・クロマツ林の生育に適した林床管理を行う。 ・不要木(灌木、主に落葉樹)の除伐を行う。 ・梅園:原則として現状を維持する。ただし枯損木の除去などは実 施する。 -- 9 of 15 -- 99 附属邸ゾーン 【管理目標】 ・各附属邸の庭園(東附属邸車廻しの小松、西附属邸車廻しのソテ ツ等を含む)は、御用邸時代の建造物・構造物の保存に留意し、 クロマツ林管理重点ゾーンに準じた管理を行う。
・建築物や構造物への影響の恐れのあるクロマツの剪定や除伐を実 施する。 【主な対応方針】 ・枯損木・危険木の除去を行う。 ・病虫害対策を行う。 ・クロマツの生育に適した林床管理を行う。 広場・建物ゾーン 【管理目標】 ・苑地は、現況を維持する。 ・広場・建物ゾーン内のクロマツ林は、 「旧沼津御用邸苑地の本質的 価値である松林」を「次世代へ継承する」ため、クロマツ林の保 全に関する維持管理を行う。
【主な対応方針】 ・芝生地:芝刈を行う。 ・補植のための苗畑は西附属邸海岸部にある草花畑に設ける。 樹木ゾーン 【管理目標】 ・クロマツ以外の樹木について現況を維持する。 【主な対応方針】 ・クロマツ林管理重点ゾーンからなるべく離れた場所に、伐採木・ 枯枝・剪定枝、落葉・刈草等の一時保管場所を設ける。
牛臥海岸高潮対策 事業ゾーン (県事業) 【管理目標】 ・防潮堤の適切な維持管理を行う。 【主な対応方針】 ・影響するクロマツは伐採することを基本とする。 ・伐採対象となるクロマツは、本計画におけるクロマツ林管理重点 ゾーンの対象範囲外となる。 (防潮堤工事に合わせ県事業として実施) ②安全管理 1)枯損木・危険木の除去 ・巡視や定期的な危険度診断で発見された枯損木・危険木(倒伏の可能性が非常に高 いなど)は、適宜除去する。
・伐採木・剪定枝は、病虫害対策やクロマツ林の林床の富栄養化を防ぐために、一時 保管場所に搬出する。 2)定期的な危険度診断(大枝の落枝・倒伏対策) ・大枝の落下や倒伏などを防ぐために、樹木の危険度診断(定期点検)を行う。 ・落枝や倒伏などにより利用者に危険を及ぼすおそれがある場合は、当該樹木周辺へ の立入りを制限する。
3)巡視 ・枯損木・危険木を発見した際には、緑地公園課へ報告する。(指定管理者実施) -- 10 of 15 -- 100 ③クロマツ林の林床管理 1)下刈・つる除去 ・クロマツ林内の下刈として、林床の富栄養化を防ぎ補植した稚樹の育成を妨げる雑 草や灌木の刈り払い、火災予防のための枯草刈りを実施する。
・ツル除去として、樹木の生育を阻害するつる性植物を除去する。特に、クズは樹木 などにからみつき枯死させる場合もあるので、積極的に除去する。 ・刈り取った雑草・灌木は、病虫害対策やクロマツ林の林床の富栄養化を防ぐため に、一時保管場所に搬出する。 2)落葉かき ・クロマツ林の林床の富栄養化を防ぐために、クロマツ林管理重点ゾーン内の林床に 堆積した松葉をほうきや熊手などでかきとり、一時保管場所に搬出する。
・落葉かきに当たっては、ボランティアとの協働により実施する。 ④病虫害対策 1)クロマツ林(苑内全域を対象) ・樹幹注入:年 1 回(2 月頃)、胸高直径 50cm 以上のものを対象として実施する。 薬剤注入の可否、薬剤量などを記録し、施工したクロマツの位置図を作成する。 ・薬剤散布:年 2 回(5月~6月頃)、地上散布方式で実施する。
・巡視:【指定管理者】病虫害を発見した際には、緑地公園課へ報告する。 2)梅園 ・年 1 回、西附属邸梅園の消毒を実施する。 ⑤クロマツ以外の樹木に関する取扱い(不要木の除伐) ・クロマツ林管理重点ゾーンにおいて、クロマツ以外の樹木(灌木、主に落葉広葉 樹)は、除伐を実施する。
・伐採木は、病虫害対策やクロマツ林の林床の富栄養化を防ぐために、一時保管場所 に搬出する。 ・アジサイなどの修景木で生育状況等の良いものは、クロマツ林管理重点ゾーン以外 のゾーンに移植して有効活用する。 例:駐車場周辺の修景整備に有効活用する。 ⑥伐採木・枯枝・剪定枝、落葉・刈草等の取扱い ・伐採木・枯枝・剪定枝、落葉・刈草等は、病虫害対策やクロマツ林の林床の富栄養 化を防ぐために、敷地北西側の樹木ゾーンに一時保管場所を設けて保管し、最終的 に堆肥として苑内の花壇への利用や、市内の公園で利用するなど有効利用を図る。
⑦実生木の取扱い ・実生木は、補植が必要なエリアでは優先的に保護、育成を図る。 ・除間伐が必要なエリアでは、林床への照度確保が難しく幼木の育成環境としては適 さないため、苗畑への移植もしくは、補植が必要なエリアへの移植を基本とする。 ・実生木の育成が必要なエリアについては、日常管理における下刈作業などで、実生 木が切り落とされないよう、杭等で区画をし適切な養生を行う。
-- 11 of 15 -- 101 ⑧維持管理における連携体制 ・名勝のクロマツ林ほか庭園の管理においては、通常の樹木管理とは異なり、文化財 の観点での深い造詣や熟練技能が求められる。そのため、文化財庭園保存技術者協 議会の会員の管理への参画など、苑内における管理に関しての技術継承も視野に入 れた連携体制を構築する。
第3項 地域住民との連携方針 沼津市民、地域住民にとっては、旧沼津御用邸はステータスであり、誇りである。 また、市内小中学校の児童は苑地での社会科見学、写生会などの授業の一環としても 取り入れられており、学習の場としても積極的に利用されている状況である。 一方で、苑地の維持管理には現在も行われているボランティア活動など地域住民と の連携体制が不可欠となっている。
それらを踏まえ、今後の市民からのより一層の愛着の向上と、苑内での活動が広め られるよう以下に地域連携による管理メニューを示す。 ・清掃(植栽の手入れ) 現状の活動の継続実施 ・落葉かき ・後継樹のための松ぼっくりの採取、種まき、育成 ・苗木の移植 ・こも巻き、こも焼きの実施※ ※「こも巻き」は、地元事業者のボランティア活動によって実施されていたが、平成 30 年度を最後に取りやめとなっている。
。害虫駆除の効果が少ないこと、クモなどの益虫も 一緒に駆除されるという理由がある一方で、冬の風物詩としての景観を創り出すほか、 年次イベントとして定着させるために、エントランスエリアなど、区域を限定した実施 がありうる。また実施の際は森林組合の協力を仰ぐことで、地域との交流を深めること が期待できる。
ただし、上記メニューについては、指定管理者が主体として実施することを前提と し、その中で地域住民との連携体制の上で実施することとする。 -- 12 of 15 -- 102 第4項 クロマツ林の維持管理計画 沼津御用邸記念公園は、都市公園として沼津市都市計画部緑地公園課が所管し、平 成 18 年度から指定管理者制度を導入し、指定管理者が管理・運営を行っている。
ま た、いくつかのボランティア団体からも協力を得ている。なお、平成 30 年度の主な 維持管理スケジュールについては、下記の通りである。 [クロマツの維持管理作業スケジュール(平成 30 年度実績)の整理] 月 実施者・作業項目 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 備考 沼津市 緑 地 公 園課 枯 死 木 の 除 去 〇 〇 〇 農 林 農 地課 樹幹注入 〇 薬剤散布 〇 〇 指 定 管 理者 樹木剪定 〇 落葉かき 下刈 〇 〇 〇 〇 〇 つる除去 〇 不要木の除伐(灌木、 主に落葉広葉樹) 〇 〇 補植 芝刈 〇 〇 〇 〇 〇 梅園:薬剤散布 東附属邸庭園他:施肥 ボ ラ ン ティア 清掃(植栽の手入れ) 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 こも巻き ※ ※ こも巻きは、地元事業者がボランティア活動として平成 30 年度まで実施。
ボランティア活動状況 プロムナード部の植栽の手入れ 樹幹注入を実施したクロマツ -- 13 of 15 -- 103 第5項 クロマツ林の年間維持管理スケジュール(計画) 上記までの事項を踏まえたクロマツ林の年間維持管理スケジュール及び管理区分を 以下に示す。 [クロマツ林の年間維持管理スケジュール] 月 実施者・作業項目 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 備考 沼津市 緑 地 公 園課 枯 損 木 の 除 去 適宜 除間伐(※1) 適宜 補植(※1) 後 継 樹 の 育 成(※1) 通年 危険度診断 ※2 農 林 農 地課 樹幹注入 〇 1 回 薬剤散布 〇 〇 2 回 日常管理・清掃 適宜 樹木剪定 春秋 2 回 下刈 ○ ○ ○ ○ ○ 5 回 つる除去 ○ 1 回 不要木の除伐(灌木、 主に落葉広葉樹) ○ ○ 2 回 芝生地:芝刈 〇 〇 〇 〇 〇 5 回 梅園:薬剤散布 1 回 東附属邸庭園他:施肥 1 回 ボランティア・地域住民 清掃(植栽の手入れ) 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 月1回 落葉かき【協働】 2 回程度 後継樹のための松ぼ っくりの採取、種ま き、育成 苗木の移植 こも巻き・こも焼き ○ ○ 各 1 回 ※1 除間伐、補植、後継樹の育成は、令和 2 年度より事業実施とし、年次計画は第 5 章に示す。
※2 危険度診断は、定期的に実施をするほか、台風等の自然災害の後など必要に応じたに巡回 調査を実施する。 指定管理者 -- 14 of 15 -- 104 [管理区分] 実施者 内容 説明 沼津市 緑 地 公 園課 枯損木・危険木の除去 (伐採、抜根、撤去) ・枯損木・危険木は、その樹木の高さや太さに応じて、高 所作業車やクレーンなどを用いて除去を行う。
・伐採木・剪定枝は、クロマツ林内から除去し一時保管場 所に搬出する。 除間伐(※) ・クロマツ林が過密になった箇所の本数調整として除間 伐を実施する。 ・伐採木は、クロマツ林内から除去し一時保管場所に搬出 する。 補植(※) ・病虫害により生じた空地や防風防潮機能を高めるため 植栽密度等を高める箇所などには補植を行う。
後継樹の育成(※) ・苗畑での苗木、クロマツ実生木を利活用し、後継樹を育 成する。 危険度診断(定期点検) ・大枝の落下や倒伏などを防ぐために、年1回、樹木の危 険度診断を行う。 農 林 農 地課 樹幹注入 ・年 1 回(2 月頃)、胸高直径 50cm 以上のものを対象 として実施する。
薬剤注入の可否、薬剤量などを記録 し、施工した松の位置図を作成する。 薬剤散布 ・年 2 回(5月~6月頃)、地上散布方式で実施する。 日常管理・清掃 ・松葉の除去などを主とした苑内の清掃業務を実施する。 樹木剪定 ・年 2 回実施する 下刈 ・年5回、補植した稚樹の育成を妨げる雑草や灌木の刈り 払い、火災予防のための枯草刈りを実施する。
・刈り取った雑草・灌木は、クロマツ林内から除去し一時 保管場所に搬出する。 つる除去 ・年1回、樹木の生育を阻害するつる性植物を除去する。 特に、クズは樹木などにからみつき枯死させる場合も あるので、積極的に除去する。 不要木の除伐 (灌木、主に落葉広葉樹) ・年2回、クロマツ林内の不要木の除伐を実施する。
・伐採木は、クロマツ林内から除去し一時保管場所に搬出 する。 芝生地:芝刈 ・年 5 回、実施する。 梅園:薬剤散布 ・年 1 回、西附属邸梅園の消毒を実施する。 東附属邸庭園他:施肥 ・年1回、東附属邸庭園他の施肥を実施する。 巡視 ・巡視で枯損木・危険木を発見した際には、緑地公園課へ 報告する(対処法は市が判断する)。
ボランティア・地域住民 植栽の手入れ ・月 1 回、実施する。 落葉かき ・年2回程度、林床に堆積した松葉をほうきや熊手などで かきとり、クロマツ林内より除去し一時保管場所に搬 出する。(市・指定管理者との協働) 後継樹のための松ぼっく りの採取、種まき、育成 ・3 月~6 月頃に適宜実施する。
(市・指定管理者との協 働) 苗木の移植 ・2月~4月頃に適宜実施する。(市・指定管理者との協 働) こも巻き・こも焼き ・年1回、クロマツのこも巻き(11 月)、こも焼き(3 月) を実施する。(市・指定管理者、森林組合との協働) ※ 除間伐、補植、後継樹の育成は、令和 2 年度より事業実施とし、年次計画は第 5 章に示す。
指定管理者 -- 15 of 15 --
第4章 今後の取組に向けてPDF 1.0MB
旧沼津御用邸苑地のクロマツ林を適切に管理していくための具体的な事業計画を示しています。松の本数や配置を調整する管理を令和2~7年度に複数地区で計画的に進めることをまとめたものです。
背景近代の御用邸の営みを描ける地域に開かれた苑地として、クロマツ林の景観と価値を保全するため。
- 松の樹木密度を管理して、景観形成を目指す(相対幹距比に基づく)
- 樹木医や景観専門家からなる委員会を設置して、科学的に実施
- 西附属邸(R2-3年度):松243本を植え、73本を間引く
- 旧本邸(R4-5年度):松587本を植え、105本を間引く
- 東附属邸(R6-7年度):松248本を植え、57本を間引く
- 5~10年ごとに松の生育状況を定期的に調査・確認する
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105 第4章 今後の取組に向けて 第1節 事業の方向性 旧沼津御用邸苑地の将来像として、近代の御用邸の営みを描ける地域に開かれた苑地 とするため、本計画に基づき、クロマツ林の立木密度の管理を中心とした継続的な事業 を実施する。 本計画に基づくクロマツ林管理は、、計画的なスケジュールに基づいた日常管理の実施 のほか、適正なクロマツの立木密度を維持するための補植及び除間伐の事業を実施す る。
クロマツの立木密度管理における事業実施については、96頁に示したように補植及び 除間伐の実施時には、樹木の健全性や周囲のマツとの相互の関係性などの観点で樹木医 や、通景や展望などの観点で、景観に関する有識者等から構成する委員会を設置し、詳 細な現地調査や専門的な指導のもとで計画を立案し、実施していくこととする。
また、今回の調査では行えなかった樹木の特定のための補足調査、調査結果に基づい たクロマツ林以外の樹木についての管理計画の策定も必要がある。この他、レーザ計測 では得られなかった灌木や地被類などの分布状況も把握するほか、クロマツの実生木の 分布状況も把握する必要がある。 さらに、年々成長していくクロマツのモニタリングを行っていく必要がある。
上記を踏まえ、今後事業として実施する事業の方向性を整理する。 ①クロマツ林の立木密度管理事業の実施 ・相対幹距比の考え方に基づいたクロマツ林の立木密度の適正化を図る。 ・事業実施にあたり、クロマツ林整備指導委員会(仮)を設置する。 ・各エリア、クロマツ管理重点ゾーンごとの補植、除間伐事業を実施する。
事業ス ケジュールは次ページに示す。 ②毎木調査補完事業の実施 ・毎木調査にて実施したレーザ計測やドローン撮影データを基に、樹種の特定を行 い、クロマツ林以外の樹木についての扱い等を整理し、樹木管理の考え方を整理 する。 ・灌木類、地被類の植生調査及びクロマツの実生木の分布調査を行い、適切なクロ マツの林床管理、後継樹の育成を図る。
-- 1 of 4 -- 106 ③定期的なモニタリング調査 ・クロマツ林の生育環境・生育状況を把握するため、定期的なモニタリング調査を 実施する。 [定期的なモニタリング調査の内容・頻度] 調査内容 ・立木密度(樹高、胸高直径、位置、樹種 等) ・生育状況(健全度調査) ・林床の状態 等 頻度 5年~10 年ごと程度に実施することを目標とする。
※上記に示した事業とは別に、日常的な管理は年間維持管理スケジュール計画に基づき 実施する。 -- 2 of 4 -- 107 第2節 クロマツ林立木密度管理事業計画 クロマツ林の立木密度管理については、令和2年度より計画的に実施することとし、さ らなる景観形成を目指すべく事業を実施する。
以下に各エリア、各クロマツ林管理重点ゾーンに対する事業目標年度を示す。 [エリア別の事業目標年度] 実施 エリア クロマツ林 管理重点 ゾーン名 事業 内容 事業年度 令和 2年度 令和 3年度 令和 4年度 令和 5年度 令和 6年度 令和 7年度 西附属邸 ゾーン1 計画 除間伐 補植 本邸 ゾーン2 ゾーン3 計画 除間伐 補植 東附属邸 ゾーン4 ゾーン5 計画 除間伐 補植 事業終了年度:令和 7 年度 【⻄附属邸エリア】 令和 2〜3 年度 補植本数:243 本 間引本数:73 本 クロマツ林管理重点ゾーン 2 クロマツ林管理重点ゾーン 3 クロマツ林管理重点ゾーン 4 クロマツ林管理重点ゾーン 5 【旧本邸エリア】 令和 4〜5 年度 補植本数:587 本 間引本数:105 本 クロマツ林管理重点ゾーン 1 【東附属邸エリア】 令和 6〜7 年度 補植本数:248 本 間引本数:57 本 -- 3 of 4 -- 108 -- 4 of 4 --
巻末資料PDF 3.3MB
この章は、旧沼津御用邸の庭園内の樹木の現状を図表で示し、落葉や伐倒木の処理方法の見直しなど、庭園を適切に管理するための方針を提示しています。
背景クロマツ林への富栄養化による影響を防ぎ、庭園を健全に保つため。
- 落葉の集積場所をクロマツ林から雑木エリアに変更する
- 草花畑の跡地を後継樹の苗畑として活用する
- 伐倒木と落葉を一箇所に集中集積して管理する
- 樹木の太さ(胸高直径)と高さについて詳細に調査・把握している
- 太い樹(胸高直径60cm超)や高い樹(樹高20m超)の分布位置を特定している
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109 巻末資料 -- 1 of 17 -- 110 -- 2 of 17 -- 111 巻末資料 クロマツ林管理計画図 現況の落葉の集積場は、クロ マツ林の林床への富栄養化へ の影響があるため、雑木エリ アに移動 草花畑として利用しているエリ アを後継樹の苗畑として利用 現状の伐倒木の集積地 現況、一部を伐倒木の集積地として利用 ⇒このエリアで苑内の伐倒木及び落葉等を集中集積 -- 3 of 17 -- 112 樹木分布調査図 [胸高直径階別 樹木分布図(上段:エントランスエリア/下段:西附属邸)] -- 4 of 17 -- 113 [胸高直径階別 樹木分布図 (上段:旧本邸/下段:東附属邸)] -- 5 of 17 -- 114 [胸高直径 60 ㎝超 樹木分布図(全体)] -- 6 of 17 -- 115 [胸高直径 60 ㎝超 樹木分布図(上段:エントランスエリア/下段:西附属邸)] -- 7 of 17 -- 116 [胸高直径 60 ㎝超 樹木分布図(上段:旧本邸/下段:東附属邸)] -- 8 of 17 -- 117 [樹高階別 樹木分布図 (上段:エントランスエリア/下段:西附属邸)] -- 9 of 17 -- 118 [樹高階別 樹木分布図 (上段:旧本邸/下段:東附属邸)] -- 10 of 17 -- 119 [樹高 20m 超 樹木分布図(全体)] -- 11 of 17 -- 120 [樹高 20m 超 樹木分布図(上段:エントランスエリア/下段:西附属邸)] -- 12 of 17 -- 121 [樹高 20m 超 樹木分布図(上段:旧本邸/下段:東附属邸)] -- 13 of 17 -- 122 [胸高直径 60 ㎝超 かつ 樹高 20m 超 樹木分布図(全体)] -- 14 of 17 -- 123 [胸高直径 60 ㎝超 かつ 樹高 20m 超 樹木分布図 (上段:エントランスエリア/下段:西附属邸)] -- 15 of 17 -- 124 [胸高直径 60 ㎝超 かつ 樹高 20m 超 樹木分布図(上段:旧本邸/下段:東附属邸)] -- 16 of 17 -- 名勝旧沼津御⽤邸苑地整備基本計画 発⾏ 令和2年3⽉発⾏ 発⾏・著作 沼津市 編集 国際航業株式会社 -- 17 of 17 --
文化財事業及び公園事業の区分PDF 0.1MB
旧沼津御用邸苑地の整備を、文化財保護と公園利用の2つの事業に分けて進めることを定めています。建造物の修復から園路やトイレの整備まで、各事業の内容を明確にし、関係機関と協議しながら進める仕組みになっています。
- 文化財保護と公園利用の2つの事業に分類
- 建造物や構造物の耐震化・修復を実施
- 園路やトイレなど利用環境を整備
- 建造物の公開・活用を進める
- 複数事業にまたがる場合は協議で調整
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文化財事業及び公園事業の区分 本計画における文化財事業及び公園事業の区分は、以下を基本とするが、必要に応じ、 関係機関等と協議の上、調整を図るものとする。 ページ 事 業 内 容 文化財事業 公園事業・その他 P19 クロマツ林の育成環境改善(日常的な維持管 理を除く。) ○ P20 牛臥海岸高潮対策事業に係る展望地整備 ○※ ○※ P20 牛臥海岸高潮対策事業に係る苑地側の覆土及 び芝張り、フェンス設置 ○※ ○※ P22 ~ 23 周辺景観との調和に課題がある施設整備 ○ P24 ~ 27 御用邸時代の建造物の耐震化工事、修復等(西 附属邸、東附属邸、厩舎、官舎、御文庫、湯 沸所、ポンプ舎) ○ 御用邸時代の建造物の耐震化工事、修復等(エ ントランスエリアの車庫、便所、油庫) ○ P28 ~ 29 御用邸時代の構造物の修復(防空壕、御湯殿 跡、旧本邸エリア及び西附属邸エリアを繋ぐ 石橋、江ノ浦寅石積塀、本邸正門、東附属邸 の貯水槽) ○ P33 ~ 34 園路、旧沼津御用邸苑地以外の内容を含む案 内表示、休憩施設、トイレ ○ P34 旧沼津御用邸苑地に係る案内表示 ○ P35 ~ 37 西附属邸、東附属邸及び旧本邸の公開・活用 ○ P38 防空壕の公開・活用 ○ P38 ~ 43 管理・運営の考え方、広域整備の考え方 ○ P47 旧本邸の平面表示 ○ P49 歴史民俗資料館の利活用 ○ P50 ~ 51 東附属邸エリア整備(庭園の維持管理と活用、 茶室の修復、見学ルートの明確化) ○ P53 管理部門との利用区分の明確化 ○ P54 ~ 55 エントランスエリアの整備 ○ ※双方に跨る内容であり、関係機関と協議し調整する。
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整備事業の進捗状況(令和2年度)PDF 0.9MB
国の文化財に指定された沼津御用邸記念公園を保存・活用するため、令和2年度に実施した整備事業の進捗状況を述べています。専門家の意見を踏まえながら、松林の景観改善、案内看板の設計、建物の耐震化などを進めました。
背景国の名勝に指定された文化財として、ふさわしい保存と活用を図る必要があったため。
- 庭園・景観の専門家による整備委員会を組織し審議
- クロマツ林で枯損木・過密箇所の伐採80本、枝打ち50本を実施
- 苑地全体の解説サインの検討・設計を実施
- 西附属邸の耐震化に向けて建物調査と図面を作成
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沼津御用邸記念公園の大部分は、御用邸当時からの近郊海浜保養地 としての景観を伝えるものと評価され、平成28(2016)年に「旧沼津御 用邸苑地」として国の名勝(文化財)に指定されました。 名勝としてふさわしい保存と活用を図るため、平成30(2018)年度に 「保存活用計画」、令和元(2019)年度に「整備基本計画」を策定し、 令和2(2020)年度から各種整備事業を進めています。
①整備委員会の組織・審議 ・庭園や景観等の有識者に専門的な意見を求めるため、「名勝旧沼津 御用邸苑地 整備委員会」を組織し、審議しました。 ②クロマツ林の景観改善等 ・クロマツ林の景観の改善や安全確保のため、西附属邸エリアを中心 として枯損木や過密箇所の伐採約80本、枝打ち約50本を行いました ③解説サインの検討・設計 ・苑地の解説サインの検討・設計を行いました(改修工事は今後予定 しています) ④西附属邸の耐震化 ・耐震診断を行うために必要な建物調査・図面の作成を行いました 背景写真 西附属邸 大正11(1922)年(宮内庁宮内公文書館所蔵) -- 1 of 1 --